2019年9月22日日曜日

キャラクター紹介:バーバラ・ゴードン (バットガール/オラクル)

 バーバラ・ゴードン (Barbara Gordon) はある時期はバットガール (Batgirl)として、またある時期はオラクル (Oracle) として活動しています。
オラクルと名乗ったキャラクターはバーバラ・ゴードンのみですが、バットガールに関してはこれまで複数のキャラクターがバットガールを名乗っていますので注意が必要です。バーバラは2代目のバットガールです。

DCコミックス社の作品は、2011年と2016年に大規模な設定の更新があったために
・New52期以前 (2011年以前)
・New52期 (2011-2016年頃)
・Rebirth期 (2016年以降)
に大きく分かれます。本稿ではNew52期、Rebirth期の設定に重点を置いてまとめています。



【本名】

Barbara Gordon (バーバラ・ゴードン)
愛称はBabs(バブズ)。

【職業】

以前はゴッサム市図書館の司書として働く姿が描かれていた。近年の作品ではGordon Clean Energy社の創業者兼CEOを務めている。


【プロフィール】

ゴッサム市警本部長、ジェームズ・ゴードンの娘として育つ。作品によっては、本来はゴードン本部長の姪だったが両親の死と共にゴードン本部長の養女になったという設定になっている。
父に憧れ警察で働こうとした。しかし娘のことを心配する父に強く反対され断念。作品によっては、警察学校に願書を受理しないよう父に手配されている。自分の夢を別の形で実現するためバットマンに似たコスチュームを身に着け、バットマンのもとでバットガールとして活動を始める。
The Killing Joke事件でジョーカーに銃撃され、下半身不随になる。それ以降、情報収集、ハッキング、情報分析に特化したヒーロー、オラクルとして活動し様々なヒーローたちに有用な情報を提供する。また、ブラックキャナリー(ダイナ・ランス)と組んで女性ヒーロー集団Birds of Preyの活動を始めた。Birds of Preyでオラクルは司令塔としての役割を果たしている。
New52期の初めに特殊な手術により下半身を再び動かせるようになり、バットガールとしての活動を再開した。

【スタイル】

バットガールとして活動する際には、黄色をアクセントカラーにしたコスチュームを身にまとっている(下図)。

Batgirl (2011-2016) #35より、バットガール。(Writers: Brenden Fletcher, Cameron Stewart, Artist: Babs Tarr, DC Comics)

オラクルとしての活動時には特殊なコスチュームは身に着けていない。普段着での活動である。
Birds of Prey (1999-2009) Vol. 3より、オラクル。 (Writer: Chuck Dixon, Artists: Dick Giordano, Butch Guice, Greg Land, Various, DC Comics )


【能力】

記憶力:一度見たものは忘れない特殊な記憶力を誇る。
情報収集・分析:高い情報収集能力、分析力を持つ。最先端の情報技術にも精通している。
格闘術:複数の格闘技に通じている。

【性格】

おおむね優等生。人々を守るために合理的な判断を下し、チームの司令塔としても活動する。人々のプライバシー保護に関する倫理観は緩め。

【家族関係】

James Gordon:

バーバラの父。ゴッサム市警本部長。正義感にあふれ、バーバラのことを深く愛している。

Barbara Gordon:

バーバラの母。New52期以降の設定では、バーバラが幼いころ家族を置いて失踪したとなっている。

James Gordon Jr.:

バーバラの弟。サイコパスであり、連続殺人犯としてアーカムに収容される。しかし、脱獄してはバーバラや父ゴードンを悩ませる。

Sarah Essen:

New52期に大規模に設定が変更される以前は、ゴードン本部長の再婚相手だった。ゴッサム市警の刑事でもあり、重犯罪課を指揮していた。New52期の設定変更以降はゴードン本部長は再婚していないという設定になり、サラ・エッセンの存在自体が消えてしまったようである。


【恋人】

Dick Grayson:

初代ロビンとしてバットマンをサポートし、現在はナイトウィングとして独立したヒーロー活動を行っている。ロビンとして活動していたころバーバラがバットガールとして活動を始めたので、はじめはバーバラを助け、やがて共に戦うようになった。
バーバラとの関係は恋人として描写されることが多い。しかしとにかくもてるので、バーバラ以外の女性といい雰囲気になっていることも多々ある。バーバラはバーバラで、ディック以外の男性といい雰囲気になっていることも多々ある。

【友人】

女性ヒーローチーム、Birds of Preyのメンバーとは基本的に友人である。多くのヒーローとも仲が良い場合が多い。特にバットファミリーのメンバーとは強い絆で結ばれている。

Dinah Lance:

Black Canary。Birds of Preyはバーバラ(Oracle)が指示、ダイナが行動という形でスタートしたチームである。共に活動する間に信頼関係を築き、プライベートで困ったことがあったときにも相談する仲。

Helena Bertinelli:

Huntressとして犯罪者や犯罪組織と戦うヒーローである。Birds of Preyの主要メンバーになっていることが多い。共に活動する間に信頼関係を築いており、ダイナが不調の間、Birds of Preyの現場リーダーをヘレナに任せたこともある。ナイトウィングと関係が深く、バーバラと三角関係的に描写されることも多かった。

Cassandra Cain:

一時期バットガールとして活動していた。現在(2019年)はOrphanと名乗り、バットファミリーの一員としてバットマンをサポートしている。幼少期から格闘術を教えられて育ったため、バットファミリーの中でも突出した身体技能を誇る。しかし、幼少期から言葉を教えられてこなかったため上手く喋ることができない。バットガールとして活動していた間はバーバラ(オラクル)のサポートを受けて行動していた。

Stephanie Brown:

一時期バットガールとして活動していた。明るい性格で事態を打開していく。現在(2019年)はSpoilerと名乗り、バットファミリーの一員としてバットマンをサポートしている。バットガールとして活動していた間はバーバラ(オラクル)のサポートを受けて行動していた。

Francine Charles:

バーバラが病院で知り合った友人。New52期後半ではバーバラとルームシェアをして一緒に暮らすようになる。情報技術のスペシャリスト。バーバラがバットガールであることを知り、サポート役を申し出た。バットガールをサポートするときのコードネームはOperator。

Alysia Yeoh:

New52期にバーバラが一人暮らしを始めた時のルームメイト。バットガールであることは知らないもののバーバラとの信頼関係は篤く、ルームシェアをやめてからも友人関係が続いている。トランスジェンダーであり、バーバラにはそのことも話している。

Poison Ivy:

元・植物学者Pamela Isley。薬品を投与された影響で植物を操ることができるヴィラン、ポイズン・アイビーとなった。バットマンとは何度も戦ってきたが、バーバラとは比較的友好関係を築いておりNew52期やRebirth期ではバットガールと協力して事件の解決を図ることがあった。


【主な登場作品】

バーバラが登場する作品はたくさんありますが、筆者が読んだ中で主な登場作品を簡単にまとめます。なお、各タイトルからリンクを張っている場合、リンク先はこのブログ内の感想ページです。

1967年 "Detective Comics"誌 #359に初登場。様々な偶然からバットガールとして活動することになる。

バットマンのもとで活躍を続ける。

1988年 "The Killing Joke" ジョーカーに撃たれ、下半身不随となる。以後はオラクルとして活動するようになる。

1999年 "Birds of Prey" ブラックキャナリ―と組んで、女性ヒーローチームBirds of Preyとして活動を始める。

1999-2000年 "Batman: No man's land" ゴッサム市が地震により多大な被害を受ける。バーバラはゴッサム市にとどまり、バットマンに情報を提供し続ける。

2011年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52という世界観で物語が語られるようになる。

2011年 "Batgirl"誌連載開始。手術により下半身が動かせるようになり、バットガールとしての活動を始める。

2011年 "Birds of Prey"誌連載開始。バットガールとしてBirds of Preyに関わる。

2016年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52以前の世界設定とNew52の世界設定を合わせたRebirthという世界観で物語が語られるようになる。

2016年 "Batgirl"誌連載開始。バットガールとしての活動を継続する。

2016年 "Batgirl and the Birds of Prey"誌連載開始。ブラックキャナリー、ハントレスと3人でチームを組む。

【何から読めばいいの?】

バットガール誌が邦訳されています! New52期のBrenden Fletcher, Cameron Stewart両氏のシリーズの最初の一冊です。
Amazonの商品紹介はこちら。
バットガール:バーンサイド (ShoPro Books)

Vol. 1の割にはバットガールについての説明が少なめの本書ではあるのですが、必要な基礎知識はバーバラがゴッサム市警ゴードン本部長の娘であること、ブラックキャナリー(ダイナ・ランス)とは親友でよく共闘していることぐらいでしょうか。作風も明るく、読みやすい一冊だと思います。

・とにかくバーバラが主役の作品を読みたい人はこちら。

"Batgirl (2011-2015)" Vol. 1-5 (Writer: Gail Siomone): バーバラがバットガールに復帰した最初のシリーズです。バーバラについての基本的なことはすべて作品内で説明してくれます。やや暗め。
"Batgirl (2011-2015)" Vol. 1-3 (Writer: Brenden Fletcher, Cameron Stewart): 上記の邦訳はこのシリーズのVol. 1です。

・チームの中でのバーバラの活躍を読みたい人はこちら。

"Batgirl and the Birds of Prey": バーバラがバットガールとして活躍します。明るい雰囲気で楽しく読めます。
"Birds of Prey" (1999-2009): バーバラはオラクルとして活躍します。特に初期の作品では、Killing Joke事件への思いもちらちらと出てきます。
"Birds of Prey" (2010-2011): バーバラはオラクルとして活躍します。全15話と短いです。

・ナイトウィング(ディック・グレイソン)との関係が読みたいという人はこちら。

ナイトウィングはバーバラが主要な人物として登場する作品には大抵登場しますので、「読もう」と思わなくてもバーバラとナイトウィングの話は自然に読むことになります。そんな中でも筆者のおすすめはこちらです。

"Birds of Prey" (1999-2009) #8: バーバラが撃たれて下半身不随になった後のぎくしゃくした二人の関係を描いた名作。"Birds of Prey" (1999-2009) Vol. 2に収録されています。


この記事からリンクを張っている記事以外にも、バーバラの登場作品の感想を書いています。Barbara Gordon (Batgirl/Oracle)のラベルがついている作品をご覧ください。