Vol. 1に続き、Stephanie Brown(ステファニー・ブラウン)がBatgirl(バットガール)を務めるシリーズの2巻を読みました。
【基本情報】
Writers: Bryan Q. Miller
Artists: Dustin Nguyen, Lee Garbett, Pere Perez, Various, Ramón F. Bachs
Cover by: Dustin Nguyen
発行年 2018年 (連載されていたのは2009年-2011年)
公式サイトはこちら。
全体的な感想としては、いささか消化不良な印象でした。連載当時、他の雑誌でバットファミリーに関する様々な変動が起きていたらしく、
・死んだ(と思われていた)Bruce Wayne(ブルース・ウェイン)が帰還し、再びバットマンに。
・ヒーローたちに情報を提供するOracle(オラクル、バーバラ・ゴードン)は死んだことにして犯罪者たちの目を欺く
といった状況になっています。Oracleの死については、Birds of Prey(感想はこちら)の方に詳しく描かれていました。
前巻の感想で「ステファニーにバットガールを受け継がせると決めたのは前任者のカサンドラ・ケインの独断っぽい」と書いたのですが、実はそうではなくブルース・ウェインの指示に基づいて行ったことだったようです。ブルースがステファニーをバットガールにしたのは、彼女の姿に"hope"を見たからだそうで、これは何となくわかるような気がします。
何かと馬鹿にされがちな彼女ですが、常にへこたれない精神は瞠目すべきものがあると思います。ということで、ステファニーは新しいバットガール像を作り上げた……と思うのですが。
前任のカサンドラはどこに行ったの? とか、
Batgirlに協力してくれるようになったWendy Harris (詳しくはVol. 1の感想をご覧ください)は何で途中でいなくなるの? とか、
いろいろと気になる点が残ってしまっているのは確かです。カサンドラは他の雑誌に彼女のエピソードが書いてあるのかもしれませんが、Wendy Harrisは唐突に「Nanda Parbat (チベットにある神秘の村、魔法関係のエピソードではよく出てくる)に行けば脚が治る」ということでそちらに向かってしまいました。
それは、そういう情報があればNanda Parbatを目指すでしょうけれども。彼女とCalculatorの関係、彼女とバーバラ・ゴードンの関係はもう少し突っ込んで描いてほしかったなと思いました。
そんな中、印象に残ったのはステファニーとダミアン・ウェイン (Damian Wayne)のエピソードです。ダミアンはブルースの子供で当時のロビンですが、Vol. 1ではとにかく威張っているし生意気だしであまり可愛くないな……と思っていました。
この巻では、ステファニーとダミアンが子供たちが学校の見学で訪れた博物館に潜入するエピソードがあります。子供たちに混ざって怪しまれないのはダミアン、というわけで彼はいやいやながら普通の小学生の格好をして博物館に入るのですが……。
子供たちに混ざったダミアンの姿を見たステファニーが
"He has no idea how to ...... play."
「どうやって遊んだらいいか分からないんだ……」
と思うシーンが印象的でした。
ダミアンはLeague of Assassinsのもとで暗殺術を教え込まれて育ち、後にブルースに引き取られています。というわけで、普通の家庭で育った子供がしてきたことを彼はしていません。その分、格闘術には秀でていますが。ダミアンがどういう子供なのか、初めて気が付かされたシーンでした。