2019年5月4日土曜日

Detective Comics #359 感想:バットガール(バーバラ・ゴードン)登場

※Detective Comics (1937-2011)の各話感想はこちらをご覧ください。

バーバラ・ゴードン (Barbara Gordon)が初めてバットガール (Batgirl)としてコミックスに登場したのはDetective Comics #359になります。バーバラに興味が出てきましたので、この話を読んでみました。
 
 なお、バーバラはバットガールとして有名ですが、初代バットガールはBatman #139 (1961年発行)に登場したBetty Kaneです。Bettyは当時バットウーマンとして活動していたKathy Kane (現在のバットウーマン、ケイト・ケインとは別人)の姪だったようですが、その後登場しなくなった模様です。
 
 さて、Detective Comics #359についてです。
【基本情報】
Writers: Henry Boltinoff, Gardner Fox
Pencillers: Murphy Anderson, Henry Boltinoff, Carmine Infantino
Inkers: Murphy Anderson, Henry Boltinoff
Cover by: Murphy Anderson, Carmine Infantino
発行年 1967年
 
 Amazonのページはこちら。購入及び数ページ分の試し読みができます。


 上ではDetective Comics #359そのもののページにリンクを貼っていますが、筆者は"Batgirl: A Celebration of 50 Years" (公式サイトはこちら)という本に収録されている作品を読みました。これは名前の通りバットガールの登場50周年を記念して出版された本で、これまでに登場した数々のバットガールが活躍する作品の中から選りすぐりのものを収録しています。
 長いエピソードの中から一話だけ収録されているといった作品もあるので、「これを読めばバットガールのすべてが分かる」というわけではないのですが、バットガールが登場する作品の何を読んだらいいのか、ガイドラインにするのに適した本だと思います。
 
 
 さて、ここからがDetective Comics #359の本筋についてです。
 
 この話ではゴードン本部長の娘にして図書館の司書、バーバラ・ゴードンがバットガールとして初登場するのですがその経緯が凄い。
 
 「警察関係者の仮装パーティーに参加するためにバットガールの扮装をしていたら、たまたまブルース・ウェイン(バットマン)が襲われていたので助けた。そうしたら、バットガールとして活動することがとても楽しかった」
 
 というのが、バーバラがバットガールとして戦うことになった経緯です。現在の、知性の塊のようなバーバラからするとだいぶ行き当たりばったりというか、その場の勢いを感じる理由ですね。
 
 とはいっても、「楽しかった!」だけでバットマンに認められたわけではなく。
 もともと柔道の茶帯を持っているくらいに格闘にも慣れていて、物語の前半でブルースを襲った悪人たちを追いかける過程で様々に機転を利かせることでバットマンとロビン(この頃はディック・グレイソンがロビンだったようです)に認められます。
 
 また、当初「女の子を心配しているゆとりはないから」とバットガールを置いて現場に向かおうとしたバットマンとロビンに対し、
 

 "WORRY ABOUT A GIRL, eh? HAH! IF THEY THINK THEY CAN CUT ME FROM WHERE THE ACTION IS, THEY'RE MISTAKEN!"

 
 「女の子を心配? ハッ! もし私を現場から遠ざけられると思っているなら間違いよ!」
 
 と言って追いかけ、見事に二人を窮地から救うバットガールには意地を感じました。
 
 それにしても、JLA: Zatanna's Search (感想はこちら)を読んだ時にも感じましたが、1960年代のバットマンは若いヒーローが戦いに参加するのもわりと温かく鷹揚に受け入れるオープンな人ですよね。表情も柔らかいですし。今の偏屈……もとい、厳格な性格はどの辺から始まったのでしょう。