2019年8月17日土曜日

Birds of Prey (2010-2011) Vol. 2: Death of Oracle 感想

※このシリーズの各話感想は以下をご覧ください。


 2010-2011年のBirds of Preyは、なぜかVol. 2のみ電子化されています。セールで安くなっていた時に買ってみました。

【基本情報】
Writer: Gail Simone, Marc Andreyko
Inker: Jesús Saíz, Eber Ferreira, Vicente Cifuentes, JP Mayer, William Tucci, Pere Perez, Guillem March, Inaki Miranda, Diego Olmos
Colorist: Jesús Saíz, Rob Schwager, Nei Ruffino, William Tucci
Letterer: David L. Sharpe, Travis Lanham, DC Lettering
Cover by: Nei Ruffino
発行年 2011年

公式サイトはこちら。



まず、以前読んだRenee Montoyaが登場する話(#12-#13, 感想はこちら)がこの単行本にも収録されていたのがショックでした。最初からこれを1冊買えばよかった……。

それはともかく。

Reneeが登場する話のほかにはサブタイトルになっているDeath of Oracleの話や、ハントレスのロマンス(?)の話や、第二次世界大戦を戦った退役軍人の話が収録されています。

Death of Oracleの話は、「Orecle(オラクル、バーバラ・ゴードン)が死んだことにして犯罪者たちを欺こう」という話です。情報技術のプロフェッショナルにして犯罪者、Calculatorが以前Oracleの正体を知ったためにOracleが彼の記憶を消去したものの、それ以降彼は血眼になってOracleのことを追っているという背景事情がある模様です。

なるほど、Rebirth期のBatgirl and the Birds of Prey (感想はこちら)のVol. 2、Vol. 3でのCalculatorとの戦いはこのあたりのエピソードを踏まえていたのだな……と思えるお話でした。


話の中で、Black Canary(ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)が敵の精神操作によってこれまでの人生の辛かったできごとを延々回想する場面があるのですけれど、その内容が本当にしんどいです。ダイナは人格者なのに、どうしてこんな目に遭っているのだろうと思える内容でした。New52以降ここにでてきたエピソードはなかったことになっているような気もしますが。どうなのでしょう。またひょっこり出てくるのかもしれませんね。


このシリーズは15話と短いのですが、おそらくもっと続く予定だったのだろうな……と思わせる作品でした。#12-13の感想の時にも書きましたが、いかにも後々使いそうな伏線がいろいろ埋め込んであります。そもそもOracleが死んだということにするのも後々の展開のためだった気がしますし。

Oracleが実際は生きているという事実はBirds of Preyのメンバーとバットファミリーにしか共有されないことになり、これまでOracleに情報を提供してもらっていた他の皆さん(ブースターゴールドとか、ブルービートルとか)がOracleに連絡しても放置されるという描写はなかなか面白かったです。このあたりも、いろいろ発展させる予定だった気がするのですよね。

シリーズが短く終わってしまったのがつくづく惜しいです。


ちなみに、Oracle (バーバラ・ゴードン)はCalculatorの記憶を操作したということをバットマンには内緒にしているようです。それは、まあ。Identity Crisis (感想はこちら)やJLA: Crisis of Conscience (感想はこちら)でのバットマンの記憶操作への怒りっぷりを見れば隠しますよね、バットファミリーから破門されそうだし。とは思うものの、釈然としません。
バットマンさん、ザターナ(Identity Crisis等で記憶を操作したのはザターナ)に怒る前に自分のファミリーの行いを見つめてください。