なお、"Batwoman"というキャラクター自体は1956年に登場したKathy Kaneのバットウーマンが初代であり、この記事で紹介するKate Kaneのバットウーマンは厳密には2代目です。
しかし2019年現在、初代バットウーマンについて言及されることは少ないです。注釈なしに「バットウーマン」といえばKate Kaneのバットウーマンを指すと思います。
Kate Kaneは初登場が2006年と新しいので、主役になっている作品をまとめて読むのも比較的簡単です。
【本名】
Katherine Kane愛称はKate。Kate Kane (ケイト・ケイン)と表記されることが多い。
【プロフィール】
12歳の時、母と双子の妹・ベスと共に誘拐される。ケイトは救出されたが他の二人は助からなかった。ケイトは両親のように軍人になることで人々を守ろうと考え、士官学校へと進学する。優秀な成績を修めていたケイトだったが、レズビアンであると密告されそれを認めたために退学処分となる。ケイトは父の住むゴッサム市に戻る。その頃、父は新しい妻と再婚していた。ケイトは人生の目標を失い、パーティーと女遊びに明け暮れる日々を過ごす。
そんな日々の中、ゴッサム市警交通課の警官だったレニー・モントーヤと出会い恋人関係となるが、ある日喧嘩する。路地裏で彼女に電話をかけているときに暴漢に襲われるも撃退する。その時ケイトを助けに来たバットマンの姿を見て、バットウーマンとなって人々を守ることを志した。
【性格】
犯罪者に厳しい。その一方、自分の恋人や友人は絶対に守ろうとする。強情で、人の言うことを聞かないことも多い。自分の身体能力には自信を持っている。あまりオープンな性格ではない。【スタイル】
バットウーマンとして活動するときは、赤色をアクセントにしたスーツを身にまとっている(下図)。スーツは父と協力して開発した。Batwoman (2016-) Vol. 1より、バットウーマン。(Writers: James T Tynion IV, Marguerite Bennett, Artists: Stephanie Hans, Steve Epting, Scott Godlewski, Marc Laming, Fernando Blanco, DC Comics.) |
バットウーマンの長い髪はウィッグであり、ケイト・ケイン本人はショートカットにしている場合が多い(下図)。
Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams IIIより、ケイト・ケイン。(Writer: Greg Rucka, Artists: Scott Kolins, Jock, J.H. Williams, III, DC Comics.) |
【能力】
士官学校、およびバットウーマンになる前の修業期間で鍛えた高い身体能力を持つ。銃器の扱いにも慣れている。【家族】
Jakob Kane:
ケイトの父。アメリカ軍大佐。ケイトの母と妹がいなくなってからは男手一つでケイトを育て上げた。ケイトが軍人になることを望んでいたが、士官学校を退学になったことについては「自分にうそをつかなかった」としてケイトを責めなかった。バットマン(ブルース・ウェイン)は甥にあたるが、彼のことはあまりよく思っていない。Gabrielle Kane:
ケイトの母。夫と同じく軍人。ケイトが12歳の時、娘たちと共に犯罪組織に誘拐され殺害される。Elizabeth Kane:
ケイトの双子の妹。愛称はBeth (ベス)。ケイトが12歳の時、母、ケイトと共に犯罪組織に誘拐された。殺害されたと思われていたが実際は生きており、カルト犯罪教団 Religion of Crimeのトップ、"Alice"としてケイトの前に現れる。その後、ケイトを助けるため登場した時には"Red Alice"を名乗っていた。Catherine Kane:
ケイトの義母。父ジェイコブの再婚相手。ケイトとの仲はあまりうまくいっていない。【親戚関係】
Bruce Wayne:
バットマン。ケイトの従兄にあたる。ケイトの父とブルースの母が兄妹(姉弟かもしれない)。家同士の仲が良くなかったため、子供時代のケイトとブルースはあまり顔を合わせていなかった。ヒーローとしての考え方の違いでしばしばケイトと対立する。Bette Kane:
ケイトの従妹。New52期バットウーマン誌では女性ヒーロー、Hawkfireとしてケイトと共に活躍した。【恋人関係】
Sophie Moore:
士官学校時代のケイトの恋人。ケイトはレズビアンであることは認めたものの相手の名前は言わなかったので彼女は学校に残り、軍隊内で順調に昇進した。Renee Montoya:
ゴッサム市警刑事。士官学校を退学になりゴッサムに帰ってきたケイトが、交通課時代のレニーをナンパし恋人となった。ある日大ゲンカをしてそのまま別れるが、10年の時を経て"52"で再会。お互いに思いを抱きながらも素直になれない関係が続く。Rebirth期では再び恋人となる。Maggie Sawyer:
ゴッサム市警刑事、もしくは警部。New52期のケイトの恋人であり、ケイトと強いきずなで結ばれた。別れた夫との間に娘が一人いる。【友人関係】
バットファミリーのメンバーであるJean-Paul Valley (Azrael)やLucas Fox (Batwing)とは仲が良いようだ。。
【主な登場作品】
ケイトの主な登場作品を簡単にまとめます。なお、各タイトルからリンクを張っている場合、リンク先はこのブログ内の感想ページです。2006年 "52"誌 Week 7にレニー・モントーヤの元恋人として初登場。その後バットウーマンとして現れ、活躍する。
DCコミックスの他の作品にも登場する。
2009年 "Detective Comics"誌 #854- ケイト・ケインがバットウーマンになった経緯、その活躍が集中的に語られる。→"Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III" 収録
2011年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52という世界観で物語が語られるようになる。
2011年 初のソロ誌"Batwoman" Vol. 1- Vol. 6刊行。
2016年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52以前の世界設定とNew52の世界設定を合わせたRebirthという世界観で物語が語られるようになる。
2016年 "Detective Comics"誌Vol. 1-Vol. 7において、バットファミリーの副官的ポジションを任される。
2017年 Rebirth世界でのソロ誌"Batwoman" Vol. 1-3 刊行。
ゴッサム市で活躍するヒーローを描いた作品の中にバットウーマンがゲスト出演しているものもいろいろあるようです。
【何から読めばいいの?】
バットウーマンが活躍する作品は、現時点では邦訳されていないものが多いです。(※2020/2/22追記 バットウーマンの邦訳が出版されました! 「バットウーマン:エレジー」(公式サイトはこちら)です。"Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III" の作品が収録されていますので、初めての一冊におすすめだと思います。)
・まず日本語でバットウーマンの活躍を見てみたい人にはこちら
アニメ"バットマン:バッド・ブラッド"(公式サイトはこちら)ケイトがバットウーマンを目指した経緯や過去の事件について日本語で説明してくれるのは今のところこの作品だけです。が、バットマンやダミアン(バットマンの息子)についての基礎知識が必要になります。この作品のあらすじを追うために知っておくと便利な基礎知識はこちら。
・とにかくバットウーマンが主役の作品を読んでみたい人にはこちら
"Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III"バットウーマンの基本設定がほぼすべて描かれています。1冊にまとまっているのも読みやすいです。しかし、話がとても中途半端なところで終わっています。読み終えた後続きが気になるという問題があります。
"Batwoman" (2011-2015)
最初の三冊は、一連の物語でありながら一冊ごとにきちんと区切りが入っているのでまずこのシリーズのVol. 1を読んでみるのはおすすめです。
"Batwoman" (2017-)
3冊一気に読むのがおすすめです。
・チームの中でのバットウーマンの姿が見たい人はこちら
"Detective Comics (2016-)" Vol. 1-7.バットマンが主役の作品ですが、バットウーマンが副主人公くらいの立ち位置で登場します。特にクローズアップされるのはVol. 1, 6, 7です。バットファミリーの他のメンバーと比較することで、バットウーマンの個性がより際立って描かれていると思います。
・レニー・モントーヤとの関係について知りたい人はこちら
"52"Greg Rucka氏が描くケイトとレニーの関係の基本形はすべてこの中に描かれています。
"DC Comics: Bombshells"
"Bombshells United"
独自の世界観およびキャラクター設定により構築されたスピンオフ作品です。第二次世界大戦を背景に女性ヒーローたちの活躍が描かれます。ケイトとレニーの関係は物語の中でかなり重要な位置を占めています。作品を楽しむために必要な知識は作品内で説明されているため、予備知識がなくても読めます。
"Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III"
ケイトとレニーの出会いが描かれています。
・マギー・ソーヤーとの関係について知りたい人はこちら
"Batwoman" (2011-2015)事件と並行してマギーとの関係の深化が描かれます。
"Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III"
ケイトとマギーの出会いが描かれています。
この記事からリンクを張っている記事以外にも、バットウーマンの登場作品の感想を書いています。Batwoman (Kate Kane)のラベルがついている作品をご覧ください。