2019年4月24日水曜日

Batwoman (2011-2015) Vol. 4 This Blood Is Thick 感想

※このシリーズの各巻感想は以下です。

Vol. 3に続き、Vol. 4を読みました。Vol. 3までのMedusaとの戦いも終了し、新章突入です。

【基本情報】
Writers: W. Haden Blackman, J.H. Williams III
Artists: Francesco Francavilla, Trevor McCarthy
Cover: J.H. Williams III
発行年 2014年

公式サイトはこちら。 



新章に突入した結果、さまざまな新展開が生まれた巻でした。


まずここまでのケイトの周りの人間関係を振り返っておきましょう。

・ジェイコブ・ケイン:ケイトの父。ケイトはDEO (Department of Extranormal Operations)から、父を投獄しない代わりに指示通りに動けと迫られていた。

・エリザベス・ケイン (ベス):ケイトの双子の妹。子供のころ、ケイトと母とともに誘拐され、誘拐犯に殺されたと思われていた。だが実際には生きており、犯罪カルト教団 Religion of Crimeのリーダーとしてバットウーマンの前に現れた(このエピソードはBatwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III (感想はこちら)に収録されています)。

・キャサリン・ケイン:ジェイコブの後妻。ケイトの継母にあたる。ケイトとの関係はぎくしゃくしている。

・ベッテ・ケイン:ケイトの従妹。Hawkfireとして、バットウーマンと共に戦っている。

・マギー・ソーヤー:ケイトの恋人。Vol. 3でケイトにプロポーズされる。ゴッサム市警の刑事。


と、こんな人たちがケイトの家族&恋人関係です。これまでケイトはベッテ (Hawkfire)と共に、お父さんのジェイコブの理解を得てバットウーマンとして活動していました。
バットウーマンとしての活動はマギーには秘密にしていましたが、プロポーズするにあたってその事実を明かしています。

そして、このVol. 4で継母にもケイトとベッテの活動が明らかになります。どんどん広がっていくバットウーマンの正体……。大丈夫でしょうか。

Vol. 4ではベスが生存していることも明らかになりました。Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams IIIでバットウーマンと対決し、屋上から転落して死亡したと思われていた彼女ですがカルト犯罪教団Religion of Crimeが身体を回収して謎パワーで復活させていたそうです。何なんでしょう、Religion of Crime。

DEOがReligion of Crimeと戦った際ベスの身柄を入手し、今度はベスを人質にバットウーマンに要求を突きつけます。要求は、「バットマンの正体を明らかにする」こと。
一方ジェイコブをはじめとするケイン一家はベスをDEOから取り戻すために独自に動き始めます。

結果、バットマン vs DEO vs ケイン一家 という三つ巴の戦いが始まることに。
果たしてケイトはバットマンに勝てるのか、そしてベスを取り戻せるのか――というところで次巻に続きます。


ということで本題の感想は次巻を読んでからにしたいと思います。

この巻で面白かったのはケイトがバットウーマンであることがキャサリン(継母)に分かってしまい、ベスがDEOに囚われていることも家族の面々に分かってしまい、家族会議を行うところです。ケイトがマギーと一緒に暮らしている家に家族一同が押しかけてきての会議になります。

家族が集まって家庭での会議という絵だけを見ていると「ケイトとマギーの結婚をどうするのか」とか、あるいはあるいは「厄介なお隣さんにどう対処するのか」みたいな問題が話し合われていそうな雰囲気に見えます。 しかし実際の議題は「バットウーマンとホークファイヤーはどうやってベスを取り戻すか」ということであるというのがギャップがあって面白いなと思いました。


さらに、これまで「ケイトと仲が悪い」ということで割を食っていた感のあるキャサリンさんですが、実はとてもいい人なのではないかという気がしてきました。自分になつかない、夫の子のことを真剣に心配してくれているようです。夫の姪のことまでも。もしかしてケイン一家の中で最も頼れる人なのでは――と思いました。