レニー・モントーヤがそれなりの役どころで登場するBatman: No Man's LandのVol. 2を読んでみました。Vol. 1に続き短編集ですが、Vol. 1よりは各話のストーリーがつながっている気がします。 また個人的なことですが、"Batgirl and the Birds of Prey"(感想はこちら)を読んでバーバラ・ゴードンに親しみができたのでVol. 1より読みやすいと感じました。
【基本情報】
Writers: Lisa Klink, Michael Robert Gale, Greg Rucka, Dennis O'Neil, Ian Edginton
Pencillers: Frank Teran, Chris Renaud, Mike Deodato, D'Israeli, Phil Winslade, Jason Pearson, Guy Davis, Brian Bolland
Inkers: Sal Buscema, Klaus Janson, Wayne Faucher, Frank Teran, D'Israeli, Phil Winslade, Jason Pearson, Guy Davis, Brian Bolland
Colorists: Mike Deodato
Cover by: Dan Panosian
発行年 2012年 (New Edition版)
公式サイトはこちら。
まずこの巻でのレニー・モントーヤの活躍ですが、ゴッサム市警ゴードン本部長の懐刀状態になっています。もともとレニーがゴードンに信頼されているのは分かっていましたが、この世界観ですとさらにそうなるのかもしれません。
なにしろ、他の世界と切り離されて無政府状態になっているゴッサム市での物語です。ゴッサム市警は警察官としての誇りをもって市民を保護するべく頑張っている――のですが、法律というきっちりとした枠がなくなった現在、ゴッサム市警は各メンバーの倫理観に頼るしかない状態です。警察の中でもタカ派とハト派で仲間割れしています。
こうした時に上司がどの部下を頼るかと言えば、倫理観や感性が比較的自分に近い人になると思います。レニーはその点、ゴードンから見てうってつけなのだろうと思います。
その結果、ゴードンの使いでTwo-faceとコミュニケーションをとる機会が多くなってしまっているようですが……。
次に、この巻でのバットファミリーについて。Vol. 1ではバットマンは頑張っていました。元バットガール、この作品ではオラクルのバーバラ・ゴードン(銃で撃たれて下半身がマヒしたためバットガールではなく情報収集のスペシャリスト、オラクルと名乗っています)も頑張っていました。 そしてバーバラ以外のバットガールが活動していたため、「勝手にバットガールのコスチュームを着るなんて」とバーバラが憤慨していました。
……筆者は知識として「バットガール」になった人はバーバラ以外にも何人かいることを知っていたのでこの憤慨ぶりには驚きましたが、当人からするとそんなものかもしれません。 この新バットガール、カサンドラ・ケインだと予想していましたが違いました。意外な人でした。カサンドラはカサンドラでこのVol. 2に登場してきます。バーバラと仲が良さそうで何よりです。
バットマンがある作戦のためにバットファミリーを集めるので、バットマンの周りは賑やか&若者たちで楽しそうになります。 バットファミリーとは別にタイタンズが出てくるエピソードもあるのですが、子供たちが出てくると一気に話の雰囲気が明るくなりますね。いっそ子供のヒーローを大量投入したほうが早く事態が解決する(ところでこの話はどうなれば『解決』するのでしょうか)ような気もしました。
最後に触れておきたいのが、ポイズン・アイビーのエピソードです。彼女についてはVol. 1でロビンソンパークにいるようだ、というセリフはあったものの登場することはありませんでした。Vol. 2で満を持しての登場になります。 そして彼女の活動がとても人道的かつ生産的です。この物語の中で初めて生産的な活動をしている人が出てきたような気がします。 これまで各ギャング団の縄張り争いの場として、限られた資源の奪い合いの場としてしか描かれていなかったように感じたゴッサム市ですが、ようやく「生き物(人間含む)が生きる場所」という面も見えてきました。
このエピソードはGotham Central BOOK4 (感想はこちら……アイビーのことは書いていませんが)のポイズン・アイビー登場回にもつながっていきますね。そういえばあのエピソードのアイビーは、警官よりもずっとまともな人でした。 (※2019/05/26に、Gotham Central BOOK4のポイズン・アイビー登場回の感想を改めて書きました。記事はこちらです。)
なにしろ、他の世界と切り離されて無政府状態になっているゴッサム市での物語です。ゴッサム市警は警察官としての誇りをもって市民を保護するべく頑張っている――のですが、法律というきっちりとした枠がなくなった現在、ゴッサム市警は各メンバーの倫理観に頼るしかない状態です。警察の中でもタカ派とハト派で仲間割れしています。
こうした時に上司がどの部下を頼るかと言えば、倫理観や感性が比較的自分に近い人になると思います。レニーはその点、ゴードンから見てうってつけなのだろうと思います。
その結果、ゴードンの使いでTwo-faceとコミュニケーションをとる機会が多くなってしまっているようですが……。
次に、この巻でのバットファミリーについて。Vol. 1ではバットマンは頑張っていました。元バットガール、この作品ではオラクルのバーバラ・ゴードン(銃で撃たれて下半身がマヒしたためバットガールではなく情報収集のスペシャリスト、オラクルと名乗っています)も頑張っていました。 そしてバーバラ以外のバットガールが活動していたため、「勝手にバットガールのコスチュームを着るなんて」とバーバラが憤慨していました。
……筆者は知識として「バットガール」になった人はバーバラ以外にも何人かいることを知っていたのでこの憤慨ぶりには驚きましたが、当人からするとそんなものかもしれません。 この新バットガール、カサンドラ・ケインだと予想していましたが違いました。意外な人でした。カサンドラはカサンドラでこのVol. 2に登場してきます。バーバラと仲が良さそうで何よりです。
バットマンがある作戦のためにバットファミリーを集めるので、バットマンの周りは賑やか&若者たちで楽しそうになります。 バットファミリーとは別にタイタンズが出てくるエピソードもあるのですが、子供たちが出てくると一気に話の雰囲気が明るくなりますね。いっそ子供のヒーローを大量投入したほうが早く事態が解決する(ところでこの話はどうなれば『解決』するのでしょうか)ような気もしました。
最後に触れておきたいのが、ポイズン・アイビーのエピソードです。彼女についてはVol. 1でロビンソンパークにいるようだ、というセリフはあったものの登場することはありませんでした。Vol. 2で満を持しての登場になります。 そして彼女の活動がとても人道的かつ生産的です。この物語の中で初めて生産的な活動をしている人が出てきたような気がします。 これまで各ギャング団の縄張り争いの場として、限られた資源の奪い合いの場としてしか描かれていなかったように感じたゴッサム市ですが、ようやく「生き物(人間含む)が生きる場所」という面も見えてきました。
このエピソードはGotham Central BOOK4 (感想はこちら……アイビーのことは書いていませんが)のポイズン・アイビー登場回にもつながっていきますね。そういえばあのエピソードのアイビーは、警官よりもずっとまともな人でした。 (※2019/05/26に、Gotham Central BOOK4のポイズン・アイビー登場回の感想を改めて書きました。記事はこちらです。)