Gotham Central #32はGotham Central BOOK4 (感想はこちら)に収録されています。というわけで以前読んでいたのですが、感想記事ではレニー・モントーヤのことしか書いていません。
この#32はPoison Ivy (ポイズン・アイビー)が主役で、彼女のキャラクターにとっては重要なエピソードのようなので今回改めてこの話に注目した感想を書くことにしました。
【基本情報】
Writer: Greg Rucka
Penciller: Steve Lieber
Letterer: Clem Robins
Inker: Steve Lieber
Colorists: Mark Irwin, Chris Brunner
Cover Color by: Rico Renzi
発行年 2005年
公式サイトはこちら。
ゴッサム市の路地で一人の少女の遺体が発見された。ゴッサム市警は捜査に乗り出すが、証拠が見つからず捜査は暗礁に乗り上げる。しかし少女の保護者であったポイズン・アイビーは犯人への復讐の機会を虎視眈々と狙っていたのだった――というのがあらすじです。
Gotham Centralを最初に読んだ当時は良く分かっていませんでしたが、この話はNo Man's Land事件 (感想はこちら)の後に起きています。No Man's Landでポイズン・アイビーは大地震の後無法地帯と化したゴッサム市のセントラルパークで孤児となった子供たちを育てていたのでした。
この話で殺されるのは、そんな彼女の「子供たち」の一人――ということになります。そんなわけで、真犯人に復讐を果たそうとする彼女。No Man's Landの時からそうでしたが、彼女の描かれ方は悪役というよりはアンチヒーローといった方がふさわしいものになっています。
メインストーリーとしては警察内部の不祥事を描いた話ではあるものの、一話でコンパクトにまとまっている話ですし、格好良くて少し怖いポイズン・アイビーの姿が見たい人におすすめです。
以前読んだときはそこまで深く考えていなかったのですが、改めて読み直してみて「ポイズン・アイビーは母性の強いキャラクターなのかな」と思いました。
そもそもNo Man's Landの時に植物を守るだけならともかく、孤児たちまで守っていたのはなぜか。彼らが誰からも見捨てられた存在だったから同情したということでしょうか。彼女が捨てきれない人間としての部分が、悪役としての彼女のあり方を少しずつ揺るがしていったように感じました。