Rebirth期Green Arrow誌の第4巻を読みました。Vol. 1 (感想はこちら)からの一連のエピソードの続きです。この巻の見どころは二つ、Arsenal (アーセナル、ロイ・ハーパー)との再会と、Green Arrow (グリーンアロー、オリバー・クィーン)とBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)の喧嘩です。
【基本情報】
Writer: Benjamin Percy
Artists: Juan Ferreyra, Mirka Andolfo, Eleanora Carlini
Cover by: Otto Schmidt, Juan Ferreyra
発行年 2017年
公式サイトはこちら。
Ninth Circleに汚された名誉の回復のため、またシアトルの町の人々を守るためにグリーンアロー(オリバー・クィーン)は活動を続け、その過程でかつて相棒だったロイ・ハーパーと再会する。今はArsenalと名乗る彼は最初はオリバーに反発したものの、オリバーと共に昔の仲間のために戦ったことがきっかけとなり再びオリバーに協力することを決意するのだった。一方、Ninth Circleたちはシアトルの町のインフラを次々に破壊し、多数の犠牲を出す。彼らの陰謀はオリバーが父から受け継いだ会社、クィーン・インダストリーと深い関係があることが明らかになり、オリバーは最初からクィーン・インダストリーを調べていればよかったと後悔する。そして、会社のことはいったん忘れて一人のヒーローとして活動することを勧めたブラックキャナリー(ダイナ・ランス)をなじるのだった。ダイナと喧嘩別れしたオリバーはシアトルの町を救うため戦いの旅に出ることを決意するのだったが――というのがあらすじです。
再会したArsenalは、New52期以前から出ていたキャラクターですが過去の話もこの作品中で描かれます。若いころ貧乏で、すりをして生計を立てていたロイ・ハーパーの弓矢の腕を見込んでオリバーが相棒にスカウトしました。当時はSpeedyと名乗っていたようです。オリバーが今も使っているいろいろな仕掛けをした矢は彼のアイディアでした。きちんとした生活をさせようと思っていたオリバーですが、素行の悪さから結局は彼を追い出すことになります。それ以降仲たがいしていたのですが、ロイの昔の仲間を助けるためオリバーが駆け付けたことで再びチームを組むことになります。
ロイは若手ヒーローチームTitans(感想はこちら)のメンバーでもあるのですが、オリバーから離れたのちにTitansに入ったものと思われます。
さて、そんなオリバーとロイの和解にはダイナも少し絡んでいます。ロイとダイナは共に若いころ貧乏暮らしでしたので、もともと裕福な家に生まれたオリバーとは感覚が違う部分も多いようです。そんな話をして、なんとなくロイとオリバーが和解する空気を作ってくれたダイナなのですが。
オリバー、そんなダイナに突然怒ります。読者から見ても「なぜ!?」というくらい唐突な怒り方です。怒る理由としては、今までのグリーンアローの活動方針は間違っていた、その方針を勧めたのはダイナだ、ということなのですがこれは八つ当たりです。どう見ても。
そもそもダイナは単純に好意でオリバーに協力しているのであって、ダイナ自身にはNinth Circleと戦う理由はそれほどない(ヒーローとして放っておけないというのはありますが)のですよね。
好意で手伝ってくれているダイナに何を言っているのでしょうかオリバー。
オリバーの異母妹のEmiko Queen(エミコ・クィーン)は、ダイナを突き放したオリバーに「ダイナがいなかったら私たちは誰も生きていなかった」と言います。信頼篤いですね、ダイナ。
オリバーはとにかく一人で調査を進めるのですが、結果として行方不明になったオリバーを探す皆さんのセリフがこちら。
Emiko: "BLACK CANARY! WHERE'S OLLIE?"
Dinah: "I WAS ABOUT TO ASK YOU THE SAME THING. HE'S NOT RESPONDING ON THE COMM."
Emiko: "GREEN ALERT. HE'S EITHER IN SERIOUS TROUBLE, OR HE'S ABOUT TO DO SOMETHING SERIOUSLY STUPID."
Roy: "OR BOTH."
エミコ「ブラックキャナリー! オリー(※オリバーのこと)はどこ?」
ダイナ「同じこと聞こうと思ってた。交信にも答えないし」
エミコ「警報ね。とんでもないトラブルに巻き込まれているか、とんでもなく馬鹿な事しようとしているか」
ロイ「それか両方か、だな」
信頼薄いですね、オリバー。
このRebirth期Green Arrowのシリーズは、チームとしてのグリーンアローを描こうとしていると思うのですが、例えばバットファミリーと比べるとチームリーダーのはずのグリーンアローの権威があまりないように思います。ブルース・ウェイン(バットマン)とオリバーの性格の違いでしょうか。普段付き合う分にはオリバーの方が気楽に付き合えそうですが。
さて、こんな信頼の薄いオリバーですが、シアトルの町を守るためある重大な決断をします。そしてそれが、Vol. 5へと続いていくところでこの巻は幕となります。