Rebirth期Green Arrow誌の第6巻を読みました。Vol. 1 から続いてきたBenjamin Parcy氏によるの一連のエピソードのラストになります。前巻でアメリカ全土にまたがるThe Ninth Circleの野望を無事に阻止したGreen Arrow(グリーンアロー、オリバー・クィーン)が今度はシアトルに戻り、自らにかけられた殺人事件の容疑を晴らしThe Ninth Circleも壊滅させるのだ――という話です。
【基本情報】
Writer: Benjamin Percy
Artists: Juan Ferreyra, Jamal Campbell, Stephen Byrne
Cover by: Mike Grell
発行年 2018年
公式サイトはこちら。
いきなりテンションの下がることを書きますと、この巻はとても感想が書きにくいです。
それというのも。
Vol. 1からずっと読んできたオリバーと The Ninth Circleの戦いがいよいよクライマックスを迎えました。The Ninth Circle とクィーン家の因縁も明らかになり、オリバーを守るために異母妹のEmiko Queenが格好いいところも見せました。
Vol. 4で喧嘩別れになったBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)とオリバーが和解し、その後ダイナがオリバーのどこが好きなのかしんみりと語るいいシーンもありました。
容疑を晴らすためのオリバーの法廷での演説はシアトルにはびこった行き過ぎた資本主義を糾弾するものでもあり、それを是正するために父から受け継いだ会社 Queen Industryの財産を使うオリバーの姿は有言実行で素晴らしいです。
と、褒めるところはたくさんあります。ほとんど文句のつけようがないほどです。
しかし。
読んでいて一点だけどうしても気になったところがあり、そこが引っかかってしまって仕方がなくなってしまいました。
この気になる点、この話の本筋というよりはVol. 7以降のストーリーの布石として描かれているエピソードだと思うのですが気になってしまうのはやむを得ません。
以下、ネタバレを含む感想でこの「気になる点」について書きます。終盤付近の展開にも触れます。
オリバーが殺人の容疑を晴らすために依頼していた弁護士が人を殺します。しかも死体を埋めます。
殺した経緯については、オリバーにかかっている殺人の容疑を晴らすために必要な証人を殺そうとした相手を殺したというものなので、正当防衛が成り立つかもしれません。
しかし、死体を埋めるのはまずいでしょう。
弁護士はこの後何もなかったような顔でオリバーの裁判に出席、オリバーは無罪となるのですが、いやこれでめでたしめでたしはいかんでしょう――と思って読んでいましたが本当に何事もなかったかのようにこの本は終わります。
とはいえ、上で書いたようにこの殺人事件はたぶんVol. 7以降に取り上げられるエピソードなのだとは思うのですけれど。弁護士がVol. 7以降も登場するようなので。
この点がどうしても気になって、このVol. 6全体の印象も曖昧になってしまったのが残念です。