2019年10月20日日曜日

Red Hood and the Outlaws (2016-) Vol. 1: Dark Trinity 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。

New52期の設定リセット以前に登場していたアマゾン族の戦士の一人、Artemis of Bana-Mighdall (アルテミス)はRebirth期の設定リセットで大きく設定を変えて再登場したらしい――という情報を得たので、主に登場しているというRed Hood and the Outlawsを読んでみました。

【基本情報】
Writer: Scott Lobdell
Artist: Dexter Soy
Cover by: Cam Smith, Giuseppe Camuncoli
発行年 2017年

公式サイトはこちら。



かつて二代目ロビンとしてバットマンの相棒を務めていたJason Todd(ジェイソン・トッド)。彼は一度ジョーカーに殺されたもののLazarus Pitの力で蘇ったが、バットマンとは袂を分かちRed Hoodとしてゴッサム市で活動していた。
ゴッサム市を牛耳ろうとする陰謀を巡らせるBlack Maskの懐に入り込んだ彼は、Black Maskが手に入れようとしている兵器がスーパーマンのクローン、Bizarroであることを知る。また、その兵器のことをアマゾン族の古来の武器と勘違いしたアルテミスとも出会うことになった。Black Maskの陰謀を止めるために彼がとった行動とは――というのがあらすじです。

サブタイトル通り、Dark Trinityと呼ばれる三人が結集する話になっています。簡単に三人の設定について説明しておくと、

Red Hood (Jason Todd): 上に書いた通り、二代目ロビンだったが現在は一人でゴッサム市の人々を守るために活動している。バットマンに教わったことは今でも彼の基礎だが、バットマンに対しては複雑な思いを抱いている。

Artemis: アマゾン族の戦士。New52期以前とは異なり、ワンダーウーマン(ダイアナ)の忠臣というわけではないようだ。古代エジプトの神々を信仰している。

Bizarro(ビザロ): スーパーマンのクローン。Lex Lutohr(レックス・ルーサー)の会社で作られていたようだ。スーパーマンと同様に様々な特殊能力を持つが、知能は幼児程度のようである。

……とまあ、本家Trinity(スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン)を分かりやすく踏襲した組み合わせになっています。ちなみにこの三人、以前ザターナ目当てで読んだTrinity Vol. 3 (感想はこちら)にも登場していました。
今思うとあの話は、
・本家Trinity(スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン)
・Dark Trinity(レッドフード、アルテミス、ビザロ)
・Mythtic Trinity(ザターナ、コンスタンティン、デッドマン)

の三組が集結していて、しかも敵役側も三人組になろうとしていたお話だったのだな――と思うのですが、Dark Trinityの三人の活躍はそんなに目立たなかったような気がします。


それはともかく。

本作では、三人の集結を描くとともに恐らくはシリーズ全体のテーマであろう「自分は自分以外の誰かにならなくてよい」というメッセージが何度か語られていました。
それは、「ジェイソンはバットマンにならなくて良い」ということですし「ビザロはスーパーマンにならなくて良い」ということです。アルテミスは……? となりますが、彼女についてはまだこうしたメッセージは語られていません。Vol. 2が彼女の話のようなので、期待したいです。

そして、この巻でアルテミスの影が薄いかというとそんなことはなく。
戦闘シーンのアルテミスがとても格好いいので、ぜひ読んでいただきたい一冊です。