2019年8月3日土曜日

Green Arrow (2016-2019) Vol. 1: The Death and Life of Oliver Queen 感想

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。


Black Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)がそれなりの役どころで出ているということでRebirth期のGreen Arrow誌第一巻を読んでみました。第一巻だけあり、人物説明が親切です。

【基本情報】
Writer: Benjamin Percy
Artists: Juan Ferreyra, Otto Schmidt
Cover by: Juan Ferreyra
発行年 2017年

公式サイトはこちら。


作中で語られる各登場人物の設定としては、

Green Arrow (Oliver Queen)

シアトルで弓を武器とするスーパーヒーロー、グリーンアローとして活躍する。Queen Industryの社長でもあり、財力を使って警官や民間人に協力させる場合もある。腹違いの妹、Emiko Queenと同居している。

Black Canary (Dinah Lance)

格闘術とCanary Cryを駆使して戦うスーパーヒーロー、ブラックキャナリーとして活躍する。本作の冒頭ではオリバー・クィーン (グリーンアロー)とは顔見知り程度という設定だった。人生に悩んでシアトルを訪れたらしい。

Emiko Queen

オリバーの異母妹。数年前にオリバーと出会い、共に暮らすようになった。オリバーと同様弓を武器として戦う。


となります。
物語はグリーンアローとブラックキャナリ―が誘拐されるホームレスたちを助けるところから始まります。その誘拐にはオリバーの会社であるQueen Industryをも巻き込む陰謀が潜んでおり、その陰謀に巻き込まれたグリーン・アローは人生が激変してしまい、家も財産もすべてを失いながら敵であるUnderground Menたちに立ち向かうのだった――というのがあらすじです。


見どころとしては、全てを失ったオリバーが再起をかけて戦う姿と、初対面に近いといっていい状態のはずなのに早くも2話でオリバーと恋人関係となったダイナがオリバーを救出するために奮闘する姿でしょうか。
裏切りもあり、予想外の展開もあり、大ピンチもありで楽しめます。


以下、ネタバレを含む感想です。

***ここからネタバレ***
 
The Death and Life of Oliver Queenのサブタイトル通り、一度死んだオリバー・クィーンが再び人生を取り戻そうとする話になっています。

オリバーの元々の人生は全てをお金で買っている(信頼関係なども)ところがあって、ダイナがそれは間違っていると指摘していました。実際に財産を失い人間関係を失う展開になって、オリバーは残されたわずかな人間関係から敵に迫る糸口をつかんでいきます。

物語としては2巻に続いていくのでこの巻ですべてが解決するわけではありません。またこの巻の最後でオリバーがさらなるピンチに陥ったようなので、2巻以降の展開は予想しづらいことになっています。

筆者としては、子供のころの人生経験がかなり違うらしいオリバーとダイナがどんな風にお互いのことを理解していくのか、その辺りのことが描かれていくといいなと思います。
また、お母さんがヤクザやら悪の組織 (今回はninth circleという謎の組織)やらの用心棒的な存在として生計を立てている――ので事件に巻き込まれる―― Emiko Queenのその後についても気になるところです。仲が良さそうな兄妹なので、何とか元のような生活に戻ってもらいたいものです。