アマゾン族の戦士、アルテミスが登場するRed Hood and the OutlawsのVol. 2を読みました。この巻でRebirth期Artemis of Bana-Mighdall (アルテミス)の過去の設定が大体分かり、Wonder Woman(ワンダーウーマン、ダイアナ)との微妙な関係も分かります。
【基本情報】
Writer: Scott Lobdell
Artists: Various, Dexter Soy, Kenneth Rocafort, Mirko Colak
Cover by: Nicola Scott
発行年 2017年
公式サイトはこちら。
アルテミスがゴッサム市を訪れていたのは、 Bana-Mighdallのアマゾン族に伝わる神の武器"Bow of Ra"を探してのことだった。Black Maskは一時的にBow of Raを入手していたのだが、Quracという国にいる誰かに譲ったことが分かり、アルテミスはQuracへと向かう。すでに彼女とチームを組んでいたRed Hood (Jason Todd、ジェイソン・トッド)とBizarroも同行するのだった。そして探索の中で、ジェイソンとアルテミスはともに過去の自分の行いと向き合うことになるのだった――というのがあらすじです。
物語の中でアルテミスの過去が語られます。
・アルテミスはBana-Mighdallのアマゾン族の一員。彼女たちは砂漠の中に住み、外界とは隔てられていた。
・Bana-Mighdallのアマゾン族はセミッシラに住んでいたアマゾン族だったが、大昔に女王ヒッポリタと仲たがいして砂漠に暮らすようになった。現在は衰退期にある。
・アルテミスは同い年くらいの少女、Akilaと親友でいつも共に鍛錬を積んでいた。アルテミスの夢はBana-Mighdallのアマゾン族を守護する最強の戦士であるShim'Tarになることだった。
・先に神の武器であるBow of Raを手に入れたのはAkilaの方で、アルテミスは失意に陥る。しかし、Akilaは気が狂い、Bow of Raの力によりアマゾン族の街もその周りの国々も燃やし尽くそうとした。
・この事件に、ワンダーウーマンが駆け付ける。ワンダーウーマンはアルテミスを叱咤し、二人でAkilaを殺した。
……そして、このどさくさで所在が分からなくなっていたBow of Raですが、人間の手に渡ったことが分かったためアルテミスはゴッサム市までやってきた――ということになります。
そもそものアルテミス初登場の際に語られていた物語(感想はこちら)を踏襲している部分もありつつ、Akilaという人物が加わったことでアルテミスの少女時代がぐっと彩り豊かになった気がしますね。ワンダーウーマンに対するアルテミスの微妙な感情も良く分かる話になっています。なお、ワンダーウーマンは有名人らしく、アルテミスもその名前は知っていたようです。
物語の本編では、諸々のいきさつで蘇ったAkilaとアルテミスが再び対決することになります。Bow of Raは誰の手に渡るのが最もふさわしいのか、ということもそこで語られます。
一方、ジェイソンが対峙しなければいけないのは過去、自分がどうして死ぬことになったかという問題です。彼らがやってきたQuracという場所はかつて彼がジョーカーに殺された場所らしく、かつての自分とジョーカーの幻を見て苦しむ羽目になります。
以下、ネタバレを含む感想です。
「一人ではないこと」を語ってくる物語になっていました。
ジェイソンが幻の中に見る過去の自分に言うセリフに印象的なものがあります。
過去の自分に向けるセリフとしてはだいぶきつくないですか? と思いますが、ともあれ、これがジェイソンが現時点で過去を振り返ったとき思う素直な心情なのでしょう。
一方、ジェイソンと同じように死からよみがえったAkilaはアルテミスにこんなことを言います。
というわけで、Akilaはアルテミスを自分の仲間に入れようと説得することになります。
一度死んで蘇った二人が、「一人で行動するのではなく仲間と行動しよう」と考えを改めているところは同じです。ではジェイソンとAkilaと何が違うかと言えば、やはり根本的なところの目的意識でしょうか。あとまあ、Akilaには「アルテミスに自分の仕事を手伝ってもらう」という意識はあっても「アルテミスの仕事を手伝う」という意識はないかもしれません。
そして、この巻を通してやや影の薄かったBizarroにスポットライトが当たったところで物語はVol. 3へと続いていきます。
物語の中でアルテミスの過去が語られます。
・アルテミスはBana-Mighdallのアマゾン族の一員。彼女たちは砂漠の中に住み、外界とは隔てられていた。
・Bana-Mighdallのアマゾン族はセミッシラに住んでいたアマゾン族だったが、大昔に女王ヒッポリタと仲たがいして砂漠に暮らすようになった。現在は衰退期にある。
・アルテミスは同い年くらいの少女、Akilaと親友でいつも共に鍛錬を積んでいた。アルテミスの夢はBana-Mighdallのアマゾン族を守護する最強の戦士であるShim'Tarになることだった。
・先に神の武器であるBow of Raを手に入れたのはAkilaの方で、アルテミスは失意に陥る。しかし、Akilaは気が狂い、Bow of Raの力によりアマゾン族の街もその周りの国々も燃やし尽くそうとした。
・この事件に、ワンダーウーマンが駆け付ける。ワンダーウーマンはアルテミスを叱咤し、二人でAkilaを殺した。
……そして、このどさくさで所在が分からなくなっていたBow of Raですが、人間の手に渡ったことが分かったためアルテミスはゴッサム市までやってきた――ということになります。
そもそものアルテミス初登場の際に語られていた物語(感想はこちら)を踏襲している部分もありつつ、Akilaという人物が加わったことでアルテミスの少女時代がぐっと彩り豊かになった気がしますね。ワンダーウーマンに対するアルテミスの微妙な感情も良く分かる話になっています。なお、ワンダーウーマンは有名人らしく、アルテミスもその名前は知っていたようです。
物語の本編では、諸々のいきさつで蘇ったAkilaとアルテミスが再び対決することになります。Bow of Raは誰の手に渡るのが最もふさわしいのか、ということもそこで語られます。
一方、ジェイソンが対峙しなければいけないのは過去、自分がどうして死ぬことになったかという問題です。彼らがやってきたQuracという場所はかつて彼がジョーカーに殺された場所らしく、かつての自分とジョーカーの幻を見て苦しむ羽目になります。
以下、ネタバレを含む感想です。
「一人ではないこと」を語ってくる物語になっていました。
ジェイソンが幻の中に見る過去の自分に言うセリフに印象的なものがあります。
「僕は何でも一人でできると思っていた。(中略)お前はQURACにたった一人で来たんだ。自分にチャンスを与えようとはしなかった。お前は自分が生きてきたそのやり方で死んだんだ―― 一人で」"I THOUGHT I COULD DO EVERYTHING ALONE. (中略) YOU CAME TO QURAC ALL BY YOURSELF. YOU NEVER GAVE YOURSELF A CHANCE. YOU DIED LIKE YOU LIVED -- ALONE."
過去の自分に向けるセリフとしてはだいぶきつくないですか? と思いますが、ともあれ、これがジェイソンが現時点で過去を振り返ったとき思う素直な心情なのでしょう。
一方、ジェイソンと同じように死からよみがえったAkilaはアルテミスにこんなことを言います。
「前回(※アルテミスとワンダーウーマンがAkilaを殺した時のこと)はあなたなしでみんなを助けようとした。もうその間違いは犯さない」"LAST TIME I TRIED TO HELP PEOPLE WITHOUT YOU. I WON'T MAKE THAT MISTAKE AGAIN."
というわけで、Akilaはアルテミスを自分の仲間に入れようと説得することになります。
一度死んで蘇った二人が、「一人で行動するのではなく仲間と行動しよう」と考えを改めているところは同じです。ではジェイソンとAkilaと何が違うかと言えば、やはり根本的なところの目的意識でしょうか。あとまあ、Akilaには「アルテミスに自分の仕事を手伝ってもらう」という意識はあっても「アルテミスの仕事を手伝う」という意識はないかもしれません。
そして、この巻を通してやや影の薄かったBizarroにスポットライトが当たったところで物語はVol. 3へと続いていきます。