2019年10月13日日曜日

Green Arrow (2016-) Vol. 5: Hard-traveling Hero 感想

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。

Rebirth期Green Arrow誌の第5巻を読みました。Vol. 1 からの一連のエピソードの続きです。この巻の見どころは、Green Arrow (グリーンアロー、オリバー・クィーン)がアメリカを救うためにJustice Leagueのメンバーと次々に協力しながら敵に迫っていくところと、Black Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)とRed Arrow (レッドアロー、エミコ・クィーン)が協力してシアトルでの敵を倒すところです。

【基本情報】
Writer: Benjamin Percy
Artists: Juan Ferreyra, Mirka Andolfo, Eleanora Carlini
Cover by: Otto Schmidt, Juan Ferreyra
発行年 2017年

公式サイトはこちら。





オリバー・クィーンに殺人の汚名を着せ、彼の会社Queen Industryを乗っ取ったカルト集団The Ninth Circle。彼らの目的はオリバー一人ではなく、シアトル、アメリカ、ひいては世界中を支配することだった。前巻でシアトルの町を恐怖により支配したThe Ninth Circleは、アメリカ全土へと手を伸ばす。それに気づいたオリバーはシアトルを旅立ち、彼らの陰謀を止めるべく奔走するのだったが――というのがあらすじです。

オリバーは道中でFlashやWonder WomanたちといったJustice Leagueのヒーローたちと次々に会い、彼らと協力しながらそれぞれの町を守っていきます。
中でも、Green Lantern (Hal Jordan)と一緒に宇宙空間で戦う展開は印象的でした。宇宙ステーションの中で敵を倒すも、ステーション自体が爆発し地球に向けて落ち始めるのでこのままでは二人とも助からない、Green Lanternの指輪もパワー切れ――という状態で二人は顔を見合わせて笑います。この場面の二人が、悪友感があってとてもよかったです。

Rebirth期のグリーンアローはJustice Leagueのメンバーになっていません。オリバーは、「誰かの指示で行動することを好まないから(リーグに選ばれない)」と考えていたようですが、フラッシュによると「jerkだから」だそうです。jerkって何だろう? と調べてみると、「自分勝手」という意味だそうで――まあ、分かる気はします。

要するにオリバーは実力はともかく人格的にちょっと、という感じでリーグから敬遠されていたようなのですが、Justice Leagueのメンバーと共闘しながら「自分は変わった」と言い続け、実際に変わったところを見せつけるオリバー。Justice Leagueのメンバーたちもオリバーに対する見方を変えていきます。Vol. 1からずっと見続けていたオリバーの成長の物語が一つの結末を迎えたように感じました。

一方、シアトルに残ったダイナ・ランスとエミコ・クィーンは協力してシアトルの地下にいる人買いたちを倒すべく行動します。一緒に戦う前の二人の会話がいいです。

EMIKO "BUT OLLIE DOESN'T WANT ME, YOU KNOW. SUPERHERO-ING. HE WANTS ME TO HAVE A NORMAL LIFE."
DINAH "AND SO DO I. BUT... I WAS A TEENAGE GIRL ONCE, TOO, AND I KNOW BETTER THAN THAT. IF YOU'RE GOING TO JUMP OFF ROOFTOPS AND BEAT UP BAD GUYS, I'D RATHER YOU DO IT WITH ME THAN ON YOUR OWN."


エミコ「でもオリーは私のことを求めてないって知ってるでしょ、スーパーヒーローとしての活動には。彼は私に普通の生活を送っててほしいと思ってるんだから」
ダイナ「私もそうよ。でも……私もティーンエイジャーの女の子だったことがあるから、分かるの。あなたが屋根から跳び降りて悪人たちを叩きのめすなら、あなた一人にするより私が一緒にいたほうがいい」

ダイナ、エミコの性格を良く分かっていますね。エミコを置いてダイナ一人で悪人たちを倒すべく行動しようとしたらエミコが勝手に動き回りそうですものね。それよりは自分の目の届くところに置いておいた方がまだまし、という気持ちは分かります。エミコは自分がしたいことをがんがん言って、実際に行動もすることで周りの人たちに認めさせていっているところがありますね。

ともあれ、とうとうThe Ninth Circleと対決だ! というところで次巻に続きます。