2019年10月31日木曜日

Batgirl (2016-) #25 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。

Rebirth期バットガール誌の#25を読みました。このイシューは通常のものとは異なり、短編が3つ収録されています。
短編を書いているライターの中に、筆者の好きなMarguerite Benette氏 (DC Comics: Bombshells (感想はこちら)やRebirth期Batwoman(感想はこちら)のメインライターです)がいるので、読んでみました。

【基本情報】
Writers: Paul Dini, Mairghread Scott, Marguerite Bennett
Artists: Paul Pelletier, Tom Derenick, Dan Panosian, Emanuela Lupacchino
Cover by: Joshua Middleton
発行年 2018年

公式サイトはこちら。



3つの短編のうちの一つは#26に続いていく話です。Marguerite Benette氏の作品はそれではなく、この本で完結している短編の一つ――だと思うのですが、ちょっと良く分からない部分があります(一つの短編を二人のライターが書いている? ように見えます)。

ともあれこの作品、Dick Grayson (ディック・グレイソン)とBarbara Gordon (バーバラ・ゴードン)のカップルが好きな人は読むべき作品です。

以下、ネタバレを含む感想です。



この本の中で一番印象的だった作品は、最初に収録されている短編でした。
バットガール(バーバラ・ゴードン)がかつて助けた、勇敢で正義の心を持った人がその数か月後にジョーカーに殺され、バットガールは無力感に苛まれながら葬儀の様子を覗きに行く――というストーリーです。

モノローグの中でバットガールが、「誰もハッピーエンドを迎えられない」と語るのが印象的でした。確かにバットファミリーの絡む話はそういう風になりがちなような……。

そんなバットガールの姿に気づいた被害者のお母さんが、「あなたのしたことは無駄ではない」と諭すというのが主軸のエピソードでした。

ゴッサム市を中心とした街は、街自体が危険に覆われているようなところがあります。果たしてそんな場所で人々はどう生きられるのか。引っ越せばいいのでは、と読者は無責任に思いますが、そこに住む人々には彼らなりの事情や思いがあるのでしょうし。
そうした中で生きる人々は、どのように希望を持っていればいいのか。それを描き出す物語です。希望を描き、ある種の諦観を描いているエピソードでもあると感じました。