2019年10月30日水曜日

Black Canary (2007) #1-#4 感想

 New52期に伴う大規模設定リセットの前にBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)のソロ誌はたくさん出版されていたようなのですが、現在電子版で単行本が購入できるものはなく大変読みづらい状況になっています。
そんな中、2007年のシリーズは4話と短く、各話をバラバラに購入しても比較的負担ではないことから購入して読んでみました。

【基本情報】
Writer: Tony Bedard
Penciller: Paulo Siqueira, Michael Norton, Tom Derenick, Thomas Denrenick
Inker: Amilton Santos, Rodney Ramos
Layout: Michael Norton
Finisher: Michael Norton
Colorists: Amilton Santos, Paulo Siqueira, David Baron
Lettering: DC Lettering
Cover by: David Baron
発行年 2007年

公式サイトはこちら。


Lady Shivaの娘で暗殺者として育てられた少女Sinをブラックキャナリーが引き取って育てるのだが、League of AssassinsがSinを取り戻そうと誘拐する――というのがあらすじです。League of AssassinsはLady Shivaの後継者としてSinを必要としているようです。

Lady Shivaの娘で暗殺者として育てられたもののバットマンのもとに逃げ出したCassandra Cain(カサンドラ・ケイン)と同じような境遇だな――と思って読んでいたら、作中でも言及されていました。
カサンドラが逃げ出したことでLady Shivaの後継者がいなくなってしまうため、League of Assassinsは新たな後継者としてSinを求めることになったようです。

ただし、カサンドラが逃げ出したのは17歳くらいになってからだったのに対して、Sinはまだ小学生くらいの年齢です。大人の保護が絶対に必要な状況です。
また、カサンドラは学校に通うということがなかなか難しかったですが(言葉をしゃべれないというのが大きいですね)、Sinの場合はまだ小学生でもありますしこれから学校に通って普通の人たちと友達になって普通の大人になっていくこともできるはず――というわけで、ブラックキャナリーは住居を確保し、Sinの学校を決めるためにいろいろ悩みます。

このあたり、この前読んだBatgirl誌 (感想はこちら)で、Barbara Gordon(バーバラ・ゴードン)がカサンドラ・ケインに普通の生活を送らせようと努力していたことを思い出させます。カサンドラの場合は、カサンドラがファイターとしての生き方以外を拒絶してしまっているところがありました。Sinの場合、まだまだ柔軟に育っていきそうで何とかなりそう――と読者に思わせます。

物語としては、Sinを守ろうとするブラックキャナリーに次々に魔の手が襲い掛かり、彼女は辛い思いをすることになりますが。
ブラックキャナリーはDCコミックス社のヒーローの中でもかなりの人格者であり常識人でありまともな人だと思うので、なんでこんなにつらい目に遭う羽目になってしまうのかなと思わせるものがありました。

Birds of Prey (2010-2011) のVol. 2 (感想はこちら)でダイナが敵の能力で過去のトラウマを見せられた時、このSinの件も登場します。New52期の設定リセットまで、ずっとダイナの心の傷になっていたエピソードなのだろうなと思いました。