New52期ワンダーウーマン、Vol. 1(感想はこちら)につづきVol. 2の感想です。ゾラを神々から守るダイアナの挑戦は続きます。
【基本情報】
Writer: Brian Azzarello
Artists: Dan Green, Tony Akins, Cliff Chiang
Cover by: Cliff Chiang
発行年 2013年
公式サイトはこちら。
Vol. 1でゾラをヘラから守ったように見えたダイアナだったが、ゾラは冥府の神ハデスにさらわれてしまう。ダイアナは愛の神エロスの助けを借り、鍛冶の神ヘパイストスに武器をもらい、ハデスにゾラを返すよう要求する。要求を受け入れたハデスだったが、彼の真の目的はダイアナを妻として迎えることだった。一方そのころ、太陽神アポロと月の女神アルテミスもある目的をもって動き始めていたのだった――というのがあらすじです。
あらすじを読んでわかるように、ギリシア神話の神様がたくさん出てきます。しかもあまり説明がありません。筆者はギリシア神話も好きなので楽しく読んでいるのですが、全く知らないと少し辛いかもしれません。
登場する神々について簡単に説明しておきます。
ヘラ:結婚の女神。大神ゼウスの正妻。ギリシア神話では、ゼウスが浮気し嫉妬したヘラが相手の女性と子供にひどいことをするというエピソードが多い。なお、ヘラとゼウスは姉弟でもある。
ハデス:冥府をつかさどる神。ヘラ、ゼウスの兄。ゼウスとデメテル(後述)の娘ペルセポネを妻に迎えているはずである。
エロス:愛の神。愛と美の女神アフロディテの子。
ヘパイストス:鍛冶の神。ヘラの子。醜いため神々の住まうオリュンポスから追い出されたという伝説がある。愛と美の女神アフロディテの夫でもある。
アポロ:太陽と予言、芸術を司る神。ゼウスの子。古代ギリシア人の理想を形にしたような存在である。
アルテミス:月と狩りの女神。アポロとは双子。
デメテル:豊穣の女神。ヘラ、ゼウスの姉。ハデスの妹。ゼウスとの間に娘ペルセポネをもうけた。ペルセフォネはハデスに強引に求婚され、冥府でハデスの妻となっているはずである。
この本を読む上で知っておくと便利そうな知識のみ書いていますので「この記述は正確には正しくない」というところもありますがご容赦ください。
さて。
こういう神々の喧騒に巻き込まれたゾラとワンダーウーマンですが、機転とチームプレイでどうにか難局を乗り切っていきます。ワンダーウーマンが主人公の話だけに、反撃の口火を切るのはワンダーウーマンですがヘルメスやエロスといった味方になった人たちが協力してくれるのが楽しいですね――と思って読んでいたら、最後にまたどんでん返しがありました。そして話はVol. 3に続いていきます。
以下、ネタバレを含む感想です。
***ここからネタバレ***
今後の展開につながっていきそうな描写がいくつもある巻でした。
・ハデスの妻はペルセフォネのはずでは?
上の神々の説明のところでも書きましたが、ハデスの妻はペルセフォネであるはずなのです。ダイアナを妻に迎えたいというのはともかく、ペルセポネはどうなったんだろう……と思っていたら、冥府にいました。しかもあまり幸せそうではありません。
ペルセポネの母は上述したように豊穣の女神デメテルですから、ペルセポネが不幸ということになるとデメテルが地上の作物を枯らすといったことをしかねず、今後大騒ぎになりそうだな……と思いました。
・アポロとアルテミスの双子さあ……
アポロとアルテミスはゼウスの子ですが、母はヘラではありません。当然ヘラは二人の母であるレトに大変嫉妬したので、レトが二人を出産するときはヘラに妨害されて大変だったのです。作中でも突っ込まれていましたが、その割にヘラに協力する双子。なんたることか。と思って読んでいたら、アポロは父ゼウスに代わり神々の玉座につくという野望があるということが発覚しました。まあ、そんな野望のためならヘラと手を結ぶか……と思いつつも、ここまで話がおおごとになってくるとゼウスが全く姿を現さないのが気になるところです。
ヘラが嫉妬して大変だ、だけなら(元凶は自分でも)どこかに隠れていようという気持ちは分からなくもありません。人道的にどうかということは別にして。
しかし息子が玉座を狙っているとなると、これは姿を現さざるを得ないのでは? ゼウスどこに行っているの? というのが気になった点でした。
・アマゾン族の闇
アマゾン族には女性しか生まれないんだろうと漠然と思っていたら、違いました。アマゾン族のもとに生まれた男の子はヘパイストスの工房で働かされていたそうです。これはひどい。……ダイアナは彼らを自由にしようとしますが、彼らはヘパイストスに恩義を感じていたため工房はそのままということになりました。彼らが恨むべき相手はヘパイストスではなく、アマゾン族でしょうね。今後の波乱の原因になりそうな気がします。
今後の展開につながっていきそうな描写がいくつもある巻でした。
・ハデスの妻はペルセフォネのはずでは?
上の神々の説明のところでも書きましたが、ハデスの妻はペルセフォネであるはずなのです。ダイアナを妻に迎えたいというのはともかく、ペルセポネはどうなったんだろう……と思っていたら、冥府にいました。しかもあまり幸せそうではありません。
ペルセポネの母は上述したように豊穣の女神デメテルですから、ペルセポネが不幸ということになるとデメテルが地上の作物を枯らすといったことをしかねず、今後大騒ぎになりそうだな……と思いました。
・アポロとアルテミスの双子さあ……
アポロとアルテミスはゼウスの子ですが、母はヘラではありません。当然ヘラは二人の母であるレトに大変嫉妬したので、レトが二人を出産するときはヘラに妨害されて大変だったのです。作中でも突っ込まれていましたが、その割にヘラに協力する双子。なんたることか。と思って読んでいたら、アポロは父ゼウスに代わり神々の玉座につくという野望があるということが発覚しました。まあ、そんな野望のためならヘラと手を結ぶか……と思いつつも、ここまで話がおおごとになってくるとゼウスが全く姿を現さないのが気になるところです。
ヘラが嫉妬して大変だ、だけなら(元凶は自分でも)どこかに隠れていようという気持ちは分からなくもありません。人道的にどうかということは別にして。
しかし息子が玉座を狙っているとなると、これは姿を現さざるを得ないのでは? ゼウスどこに行っているの? というのが気になった点でした。
・アマゾン族の闇
アマゾン族には女性しか生まれないんだろうと漠然と思っていたら、違いました。アマゾン族のもとに生まれた男の子はヘパイストスの工房で働かされていたそうです。これはひどい。……ダイアナは彼らを自由にしようとしますが、彼らはヘパイストスに恩義を感じていたため工房はそのままということになりました。彼らが恨むべき相手はヘパイストスではなく、アマゾン族でしょうね。今後の波乱の原因になりそうな気がします。