2019年7月3日水曜日

Wonder Woman (2011-2016) Vol. 5 Flesh 感想

※このシリーズの各巻感想は以下です。



New52期Wonder Woman誌のVol. 4 (感想はこちら)に引き続き、Vol. 5を読みました。Vol. 4の感想に書いた3陣営それぞれのメンバーが個々の思惑に沿って入り乱れ、クライマックスに向けて疾走していきます。

【基本情報】
Writer: Brian Azzarello
Artists: Goran Sudzuka, Aco, Cliff Chiang, José Marzán, Jr.
Cover by: Cliff Chiang
発行年 2014年
公式サイトはこちら。


前巻のラストで深手を負ったFirst Bornは、アポロに捕らえられ凄惨な拷問を受ける。一方、アポロは自らの地位を固めるためにオリュンポスの他の神々に自分に従うように告げ、ワンダーウーマン(ダイアナ)には戦神Warの後を継ぎ戦神となるよう命ずる。しかしダイアナはそれを断るのだった。そのころ、ゼウスの最後の子供であるZekeとその母親のゾラには再び敵が迫り、ダイアナと共に行動する一同はゾラを守ろうとする。しかしゾラは自分の存在が皆の迷惑だと思いこっそりと立ち去る。そんなことをしている間に、First Bornは着々とその力を回復していくのだった――というのがあらすじです。

前巻で三陣営に分かれるという構図がはっきり見えましたが、この巻ではその構図が少し緩くなりました。First Born陣営はともかくとして、アポロの妹で兄に従っているアルテミスがダイアナと取引をして協力したり、同じくアポロと行動を共にしている酒の神ディオニュソスがゾラを守ったりします――アポロ陣営が崩れているだけでしょうか。

それにしてもアポロがFirst Bornに与える拷問が酷い&何回も繰り替えされます。最初は「まあこういう拷問をしましたってちゃんと描いておかないとってことだろうね」と思って読んでいました。しかしあまりに繰り返されるため、「もしかしてアポロがSだと言いたいのだろうか……?」という疑念が生まれてきました。そうこうしている間に力を回復していくFirst Bornですが、アポロもラストまでしっかりと意地を見せてくれます。

以下、ネタバレを含む感想です。

***ここからネタバレ*** 

ラスト、女神ヘラ様の力が戻りました!
アポロによって奪われていたヘラ様の力ですが、再び彼女は女神として力を取り戻しました。というわけで、かつてヘラ様によって蛇に還られていたアマゾンの人々がもとの姿に戻ります――この話、もともとはゼウスの浮気に嫉妬したヘラ様が浮気相手のゾラを狙う、という話だったのでヘラ様がそもそもの敵役だったんですよねえ。
Vol. 5ともなるとすっかりダイアナチームのお茶目な一員という感じだったので忘れていました。このあとヘラ様大暴れになると嬉しいですが、どうでしょう。みんなでFirst Bornを迎え撃つぞというところでこの巻は幕となります。