2019年6月2日日曜日

The Huntress (1989-1990) #1 感想

 1989年から連載されていた"Huntress"誌の #1を読みました。Helena Bertinelli (ヘレナ・ベルティネリ)が登場する最初の作品になります。初登場の作品でソロ誌とは何と鳴り物入りの登場……と思いましたが、これは事情があるようです。

 "Huntress"と名乗るキャラクターはDCコミックスの世界に2人います。Helena BertinelliとHelena Wayneです。Helena Wayneはアース2(DCコミックスのゴールデン・エイジ――1938年から1950年代半ば――のヒーローたちが活躍する別世界を描く)でのブルース・ウェイン (バットマン)とセリーナ・カイル(キャットウーマン)の子供です。

 そして、Helena Wayneの初登場は1977年とHelena Bertinelliよりだいぶ早いようです。
 
 つまり、アース2に登場していたハントレスというキャラクターをアース1に登場させるにあたってHelena Bertinelliという個性が新たに与えられたということなのだろうと思います。
 したがってこの作品はHelena Bertinelliの初登場作品で間違いないのですが、ハントレスの姿かたち、ハントレスというキャラクター名は当時の読者にとって既知のものだったと思われます。そのためいきなりソロ誌でも十分な売り上げが見込めたといった事情があったのでしょうか。


【基本情報】
Writer: Joey Cavalieri
Penciller: Joe Staton
Inkers: Dick Giordano, Bruce Patterson
Colorist: Nansi Hoolahan
Cover by: Joe Staton
発行年 1989年

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 この#1はHelena Bertinelliの初登場――ということで、彼女の過去が語られます。この話で語られる過去は、
・ヘレナはマフィアの一家の出身
・幼いころに誘拐されたことがある
・大学生のころ、家族が全員殺され復讐を誓った

 というものです。

 現在のヘレナの設定はおおむね、
・ヘレナはマフィアの一家の出身
・幼いころ、家族が全員殺され復讐を誓った
 というものですからあまり変わりませんが、少しずつ変化していったようですね。

 この作品はまだ#1ということで、現実の時間では大きな事件は起きていません。この中で描かれた過去のことが徐々に今後の展開と関わっていく形になりそうです。絵柄が荒い感じなのも相まって(古い映画を見ている気持ちになります)幼いころに誘拐されたヘレナが帰ってきたときの様子が怖いので、その辺が発展していくのだろうと思います。

 一人で活動していることもあってか、ハントレスの危うさのようなものがさりげなく伝わってくる作品になっています。