2019年6月22日土曜日

Supergirl (2016-) Vol.4: Plain Sight 感想

※このシリーズの各巻感想は以下です。

Rebirth期のSupergirl Vol. 4を読みました。Vol. 3に引き続き、National Cityの住民からの信頼を失ったSupergirl(スーパーガール、カーラ・ダンバース)の戦いになります。Steve Orlando氏のシリーズの最終巻です。

【基本情報】
Writer: Jody Houser, Steve Orlando
Artists: Carmen Carnero, Julio Ferreira, Robson Rocha, Various, Jamal Campbell
Cover by: Stanley "Artgerm" Lau
発行年 2018年

公式サイトはこちら。




Vol. 3で辞任したCameron Chase(キャメロン・チェイス)に代わり、後任のDEO (Department of Extranormal Operation) ディレクターとしてMr. Bonesが就任する。彼は自分のために利用できる超人のみを生かすつもりだった。スーパーガールを自らの道具にしようと彼はスーパーガールの正体を調べるが、その情報はキャメロン・チェイスが徹底的に削除していったのですぐには分からなかった。そこでMr. Bonesは超人にNational Cityを攻撃させることでスーパーガールを誘い出して捕らえようとするのだが――というのがあらすじです。

あらすじから分かるように、キャメロン・チェイス大活躍です。実際の出番としてはそれほど多くはないのですが、Mr. Bonesとの戦いではスーパーガールよりキャメロン・チェイスのほうが良い働きをしています。Vol. 1の感想で彼女のことを「感じが悪い」と書いたのですが、あんなこと書いて悪かったなと認識を改めるほどの大活躍ぶりでした。

Mr. Bonesはもともとはヴィランで、そこからDEOに抜擢されたという経歴らしいですね。誰がDEOにBonesを採用したか分かりませんが、人を見る目がないにもほどがあると思います。

以下、ネタバレを含む感想です。

***ここからネタバレ***
 
スーパーガールとカーラ・ダンバースのバランスの話だと思いました。

スーパーガールはNational Cityではカーラという名の高校生として生活していますが、これまではスーパーガールとしての活動が優先でした。しかしMr. Bonesに狙われていることが分かってからはスーパーガールとしての活動をやや控えめにします。もちろん彼女としては忸怩たる思いをすることになります。
そんな中でEliza Danvers (カーラの養母)は

"DON'T FORGET TO PUT YOUR HAPPINESS FIRST ONCE IN A WHILE."

「たまには自分の幸せを一番に考えないと」

と言います。

その言葉の意味がぴんと来ていなかったカーラですが、次第にカーラ・ダンバースとしての幸福のことも考えるようになります。一方で、スーパーガールに助けられた人々の言葉も広く報じられるようになり、スーパーガールへの人々の信頼もゆっくりと回復していきます。

最終的にかなり信頼の回復するスーパーガールですが、人々は無条件に彼女のことを受け入れるわけではありません。彼女は間違ってしまうこともある、そんな存在として受け入れます。それは人々が彼女のことを、神や天使のような存在としてではなく、人間とし受け入れた、ということのように思えました。