2019年7月17日水曜日

Batman: Harley Quinn #1 感想

 今でこそHarley Quinn (ハーレイ・クイン)とPoison Ivy (ポイズン・アイビー)は親友という扱いになっていますが、二人が友人となった経緯はBatman: No Man's Land (感想はこちら)の頃の話に描かれているらしい――というわけで、二人の最初の関係が描かれた Batman: Harley Quinn #1を読みました。
 
【基本情報】
Writer: Paul Dini
Penciler: Yvel Guichet
Inker: Aaron Sowd
Colorists: Richard Horie, Tanya Horie
Cover by Alex Ross
発行年 1999年

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 Batman: No Man's Land の無法地帯と化したゴッサム市において、ポイズン・アイビーはロビンソンパーク内で植物を育て、その果実を人々に提供することでバットマンからの保護を受けていた。一方、ジョーカーと共に活動していたはずのハーレイ・クインはジョーカーに捨てられ、ロビンソンパーク内に転落する。ハーレイの姿を見たアイビーは何を思ったか彼女を介抱するのだった――というのがあらすじです。
 
 ハーレイは割と誰にでも人懐こそうだからいいとして、アイビーはなぜハーレイに好意を持ったのだろうと以前から疑問に思っていたのですが、この話の中できちんと説明されていました。
 
 アイビーはかつて愛していた教授に裏切られて薬物を投与されたので、同じように愛する男に裏切られたハーレイに同情したらしいです。
 その同情心は分からなくもありません。
 
 そしてハーレイに、アイビーの持つ毒への免疫と、身体能力の向上する薬を与えます。この結果、ハーレイ・クインは常人を超えた能力で跳んだりはねたりすることができるようになります。
 たしかに、今まで深く考えませんでしたが若い精神科医にすぎなかったハーレイがバットマンたちを翻弄するような身体能力を身に着けるにはなにか秘密があった方が自然ですね。
 
 話の後半ではアイビーからもらった力を活用してバットマン、ジョーカーへと復讐するハーレイの姿が見られます。筆者はジョーカーにいいようにだまされているハーレイの姿は好きではないので、この話のオチ自体は残念だったのですけれど、アイビーとハーレイの友情の始まりを見届けた満足感の得られる作品でした。