New52期に連載されていたBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)のソロ誌のVol. 2を読みました。このシリーズはこれが最終巻になります。
【基本情報】
Writers: Brenden Fletcher, Matthew Rosenberg
Artists: Moritat, Wayne Faucher, Sandy Jarrell, Annie Wu
Cover by: Annie Wu
発行年 2016年
公式サイトはこちら。
ロックバンド"Black Canary"のボーカル、ダイナ・ランスが行方不明になってしまった。心配するバンドメンバーは手掛かりを求めてベルリンに飛ぶ。そのころダイナはスーパーヒーローのVixen (Mari McCabe)と共にとあるカルト集団の牢獄に囚われていた。そんな二人の前に白い忍者が現れる。果たしてダイナを狙うカルト集団の正体は何か、そして白い忍者は――というのがあらすじです。
前巻は「ヒーローもののテイストのあるバンド漫画」という感じでしたが、今回は「バンドもののテイストのあるヒーロー漫画」になっています。あらすじには書きませんでしたがダイナがバットガール(バーバラ・ゴードン)に助けを求めに行く場面もあり、ここでは「ガールズトークの合間にもろもろの調査とバトルを行う」という雰囲気が楽しめます。
バーバラ・ゴードンはバットガール誌で活動しているときと比較してこちらのストーリーではだいぶノリが軽いように見えますね。やはり主役ではないということでのびのびできるのでしょうか。
以下、ネタバレを含む感想です。
***ここからネタバレ***
物語としては、ダイナのお母さんがかつて開いていたマーシャル・アーツの道場が今回の事件に絡んでいるらしく、カルト集団はダイナのお母さんがダイナに残したはずのカンフーの技を求めているようだということが明らかになります。なんでもその技を使うと悪魔をもとの姿に戻すことができるらしいです。――この、「話の中ではふむふむと読んでしまうけれど改めて考えると『何で?』と突っ込まざるを得ない設定」はVol. 1から続いていますね。
Vixenやバットガールといったヒーローとしての協力者だけでなく、バンドメンバーも前巻と同様ダイナに協力して戦ってくれます。彼らは恐らく普通の人間のはずなのですが(前巻でダイナが短期間訓練をした程度)、かなりいい戦いをしてくれます。小さなころお母さんが家を出ていき、お父さんも亡くなったダイナは基本的に一人で生きてきたという認識でいるのですが、そんな彼女に
"YOU'VE NEVER BEEN ALONE."
という言葉が投げかけられるのはどんなシチュエーションなのか。ダイナの人生の悲しみと喜びを両方読むことができるストーリーだと思います。
なお、この本の最後にはBatgirl and the Birds of Prey(感想はこちら)の1話が収録されています。こちらの作品も大変面白いのでお勧めです。