2019年5月12日日曜日

Birds of Prey (1999-2009) #22-#24 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


1999年から2009年まで連載されていたBirds of PreyのシリーズはVol. 3まで単行本が出ています。Vol. 3でBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)がOracle (オラクル、バーバラ・ゴードン)をかばって自ら敵に捕まったところで終わってしまい、こんなところで終わったら続きが気になって仕方ないぞ――ということで、さらに3話分続きを読みました。
大体#22-#24まで読むと一段落(話自体はまだまだ続きますが)します。

【基本情報】
Writer: Chuck Dixon
Penciller: Butch Guice
Inkers: Butch Guice, Bill Sienkiewicz
Colorist: Shannon Blanchard
Cover by: Butch Guice
発行年 2000年

Amazonのページはこちら (#22)。購入及び数ページ分の試し読みができます。




Vol.3を読んだときは「切りのいいところまで収録していない! こんないいところで終わるなんて!」という感想だったのですが、実際に続きを読んでみると、うーむ、あれはあれで切りが良いところで終わっていたのだなという感想になりました。

物語自体は確かに続いているのですがテンションがだいぶ違っているので、これまでのシリアス寄りの話を期待しているとだんだんコメディよりになってきていてややずっこけます。むしろツッコミを入れて楽しむタイプの話のようにも思えます。そういうお話が好きな人におすすめです。

以下、ネタバレを含む感想です。

***ここからネタバレ*** 

Vol. 3で敵はOracleのことを必死に追い詰め、ついに捕らえる(実際はBlack Canaryですが)のですが、敵の目的はOracleを殺すことではありませんでした――という展開で、これまでのシリアスなテンションがだいぶ落ち着きます。

では目的は何かというと、Oracleの情報収集・分析能力がどうしても必要な仕事があるため。その仕事とは、敵のボスの心臓が悪いので、移植できる心臓を探すことです。といっても、敵のボスは身体のサイズが大きいので普通の人間の心臓ではだめで、人語を解するゴリラの世界に行き(※ゴリラというより、ゴリラのような姿の謎の生物といった方が良さそうですが)適合する心臓をもらってくる――というのが最終的なミッションになります。

一応、ゴリラならどの心臓でもいいわけではなくDNAのパターンからマッチするゴリラを選んでその心臓を手に入れる必要があるようなのですが(この「DNAのパターンから~」という作業にOracleの技術が必要になります)、まさかこんな展開になるとはVol. 3からは想像もできませんでした。どうしてこんな展開に。

Black CanaryはOracleのふりをしているので、こっそりOracleの指示を受けながらコンピューターをOracleの使っているコンピューターにつなぎ、実際はOracleが解析する――という形になるのですが、いつもやっている「Oracleの指示を受けながらBlack Canaryが現場で行動」というのとあまり変わりません。

Vol. 3の終わり方は「史上最大のピンチ!」という感じでしたが、割とすうっといつも通りの緊張感(むしろいつもより緩め)に戻っていったという印象でした。どさくさ紛れにOracleも敵のボスからさらにお金を巻き上げています。いいんだろうかそれで。