2019年5月7日火曜日

Batgirl (2011-2016) Vol. 2: Knightfall Descends 感想

※Batgirl (2011-2016)の各巻感想へのリンクはこちら

※このシリーズの各巻感想は以下です。

Batgirl (2011-2016) Vol. 2を読みました。New52期バットガールの2冊目です。

【基本情報】
Writer: Gail Simone
Artists: Ed Benes, Vicente Cifuentes, Ardian Syaf
Cover by: Stanley "Artgerm" Lau
発行年 2013年

公式サイトはこちら。



この巻ではクローズアップされる事件以上に、Batgirl (バーバラ・ゴードン)の家族関係の不穏な動きが印象的でした。

まず、バーバラが子供のころ家族を捨てて出て行った母がゴッサム市に戻ってきます。バーバラは当然、母にどう対応していいか分からないのですが少しずつ母に近づいていきます。

バーバラの母が失踪した理由はバーバラの弟(James Gordon Jr.)を恐れ、自分が家にとどまっているとバーバラたちに危害が及ぶと考えたからだそうです。James Gordon Jr.は長じて殺人犯となり今は服役中だそうですが、この弟の設定を知ったのは今回が初めてだったので驚きました。ゴードンさんのお家も大変ですね……。警察本部長のお父さんとしては忸怩たる思いなのではないでしょうか。

そしてこの弟、こっそり脱獄していたようです。そしてバーバラの周辺をさりげなくうろつきまわり始めています。……嫌な予感しかしません。しかし、このVol. 2では家族の話はあくまで通奏低音でずっと嫌な音を響かせているだけで、まだ大きな事件には繋がっていきません。


Vol. 2の見どころとしては、他のヒーローとバットガールの関わりが挙げられると思います。
まず最初に登場するのはBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)です。彼女はBirds of Preyでのバーバラのチームメイトですが、バーバラは困ったことがあると彼女のところに相談に行く様子。

最初は面倒くさそうながらもちゃんとバーバラの悩み相談に付き合うダイナの姿は、Birds of Preyでのチームの友情が大好きな筆者としては嬉しい展開でした。ダイナに耳の痛いことを言われてもちゃんと受け入れるバーバラも立派ですね。

そして、巻の後半ではバットウーマンも登場します。二人が顔を合わせるのはこのエピソードが初めての様子。
バットウーマンはDEO (Department of Extranormal Operations) の指示で動いている時期のようで、諸事情により戦闘になります。
バットガールはバットウーマンの情報をあらかじめ入手・分析をしていて(情報収集・分析のスペシャリストですからね)戦えば勝てると思っていたようですが、これまでの情報よりもずっと現実のバットウーマンのほうが強かったようです。
……まあ、ねえ。単純な格闘戦でバットウーマンの方がバットガールより強くてもあまり違和感がないといいますか。バットガールは情報分析も駆使した戦いの方で頑張りましょう。


この巻では、大きく二つのエピソードと、他誌との共通イベントであろうと思われるCourt of Owlsが登場するエピソードが描かれていました。Court of Owlsのエピソードに関しては途中で終わってしまうのでここには特に書きません。

他のエピソードでクローズアップされる敵は、犯罪者であっても同情する余地があったり、犯罪被害者から犯罪者になったという経緯はあってもやっていることがひどすぎて同情の余地がなかったり、とその犯罪者像にバリエーションをつけてきた感じがします。3巻以降、どのような展開を見せていくのか期待したいです。