2019年5月1日水曜日

Detective Comics #843-844 感想

※Detective Comics (1937-2011)の各話感想はこちらをご覧ください。

 Detective Comicsはバットマンやバットファミリーの活躍を描くシリーズですが、ザターナがゲスト出演しているという#843-#844を読んでみました。
 
【基本情報】
Writer: Paul Dini
Penciller: Dustin Nguyen
Letterer: DC Lettering
Inker: Derek Fridolfs
Painted Colored by: Dustin Nguyen
Colorist: John Kalisz

発行年 2008年


 公式サイトはこちら (#843)。  


 ゴッサム市にオープンする予定の新しいクラブで事故が起きそうになる。バットマンが未然に被害を防いだが、その背後にはマフィア同士の抗争が疑われた。一方、新しいクラブのオーナー、Sabatinoはザターナにクラブオープン時の公演を依頼する。オーナーの評判の悪さに一度は断ったザターナだったが、最終的には依頼を受け入れる。しかしザターナはバットマン(ブルース・ウェイン)に連絡し、あらかじめSabatinoの様子を監視できるようにしておいたのだった。マフィア団の乱入によりSabatinoとブルースはともに誘拐される。果たしてブルースの運命は――というのがあらすじです。
 
 マフィアのごたごたに巻き込まれた格好のザターナとバットマンがどう事態を解決するかというのが本筋になりますが、ファンとして気になるのはこの作中で描かれるザターナからブルースへの恋心ですね。以下、ネタバレを含む感想で詳しく書きます。

***ここからネタバレ*** 
 
 ザターナからブルースへの恋心は、Detective Comics #833-#834 (感想はこちら)のエピソードに端を発しているそうです。そういえば#833-834のライターもPaul Dini氏でした。
 #833-#834の中で、戦いの中で傷を負って意識を失ったザターナをバットマンは助けて自分の家へと連れて帰るのですが(ここまでは当たり前)、その後一晩ザターナのそばについていたことから、
 
 

"A GIRL GETS ATTENTION LIKE THAT, SHE STARTS THINKING THERE'S SOMETHING MORE TO A GUY THAN ANGER WRAPPED IN A CAPE."

 
 「そんな風に親切にしてもらった女の子は、その人にはケープに包んだ怒りだけじゃなくて他の何かもあるんじゃないかと思うものよ」
 
 という気持ちになったそうです。
  
 
 まあ、コンスタンティンよりはブルースのほうが恋人としてはまともかもしれない……でも、ブルースはブルースで、自分で決めたルールを破った相手には厳しすぎるほど厳しいので恋人としては難しいよね、ほらザターナもJLA #115-119 (感想はこちら)でブルースを怒らせたときにとても傷ついていたわけだし……と思って読み進めていたら。
 

 "THE ONE TIME I SPARKED THE MOST PASSION FROM YOU WAS BACK IN THE LEAGUE, WHEN I BETRAYED YOU."
 "I WAS ANGRY."
 "IT WAS AN HONEST EMOTION. MAYBE THE MOST HONEST YOU'VE EVER GIVEN ME."

 
 
「私が一番あなたからの感情に気づいたのはリーグにいた頃、私があなたを裏切ったとき」
「僕は怒ってたんだ」
「あれは正直な感情だったわ。たぶん、あなたが私に見せた感情の中で一番正直だったわ」

 まさに、ザターナがブルースを激怒させたあの事件で、「ブルースの一番正直な感情を見た」とザターナは思ったらしく、それで気になる相手になったらしいです。えー。激怒されて「正直に気持ちを表現してくれた!」と思うのはあまり健全な人間関係ではないような気がするのですが。知り合って間もないならともかく、この二人は子供時代からの長い付き合いですし。

 ブルースが普段からある程度素直な気持ちを表現していかないと周りの人たちが少しずつ歪んでいく気がするので、気を付けてもらいたいものです。