現在、ザターナが主要メンバーとして登場するJustice League Dark (2018-)が連載されています。筆者も楽しく読んでいます。
どこで感想を書くか悩んでいたのですが、#1から始まった話がワンダーウーマン誌との共通イベント"The Witching Hour"の終了とともに一段落しましたので、その部分までの感想を書くことにしました。
なお、イベントの関係で一話単位で読む場合の順番は
Justice League Dark #1, 2, 3
↓
Wonder Woman and Justice League Dark: Witching Hour
↓
Wonder Woman #56
↓
Justice League Dark #4
↓
Wonder Woman #57
↓
Justice League Dark and Wonder Woman: The Witching Hour #1
となります。ややこしいですね。順番を間違えて読むと話がつながらないので気を付けましょう。3月に出るはずのTPB (単行本)では、正しい順番で全部収録されているのだろうと思います。
(2019/03/09追記:3月12日発売予定の Justice League Dark Vol. 1はJustice League Darkの#1-3、#5-6を収録しているそうでWitching Hourのエピソードは全く入らないようです。Witching Hourはとても面白いので、ぜひどこかで読むことをおすすめします。)
(2020/11/29追記: Witching Hour については、Wonder Woman and Justice League Dark: The Witching Hour (公式サイトはこちら)という単行本にまとまりました。面白いのでお勧めです。Justice League DarkのVol. 1の後に読むといいと思います。)
【基本情報】
Writer: James T Tynion IV
Artists: Raúl Fernández, Alvaro Martinez, Jesús Merino, Ray McCarthy, Emanuela Lupacchino
Cover by: Raúl Fernández, Alvaro Martinez, Riley Rossmo, Jesús Merino, Yasmine Putri
発行年 2018年
公式サイトはこちら (Justice League Dark #1)。
【基本情報】
Writer: James T Tynion IV
Artists: Raúl Fernández, Alvaro Martinez, Jesús Merino, Ray McCarthy, Emanuela Lupacchino
Cover by: Raúl Fernández, Alvaro Martinez, Riley Rossmo, Jesús Merino, Yasmine Putri
発行年 2018年
公式サイトはこちら (Justice League Dark #1)。
物語は魔法が壊れてしまったということを発端に始まります。ザターナですら、自分の魔法をコントロールすることができません。その原因を探っていくと、原初の魔法の使い手たちが人類世界から魔法を取り上げようとしているらしいという話になり、どう対応していくか……という物語になります。
そのためのチームが今回のJustice League Darkであり、主要メンバーはWonder Woman (ワンダーウーマン)、Zatanna (ザターナ)、Detective Chimp (ディテクティブチンプ)、Man-Bat (マンバット)、Swamp Thing (スワンプシング)の5人です。他、話の状況によってコンスタンティンやデッドマンも参加します。
……ワンダーウーマンとかマンバット(元々はバットマンの敵)とか、あまり魔法と縁がないキャラクターなのでは? と思ってしまいますが、魔法の使い手たちは基本的にジャスティスリーグには協力することを良しとせず、自分たちの力で魔法をどうにかするという方針のためこんなメンバーになっています(とはいえ、おそらく「自分たちの力」でどうにかなる事態ではない)。
このエピソードのテーマは「シリーズの敵を提示する」と「ワンダーウーマンが魔法の世界になじむ」です。閉鎖的な意識の強い魔法の使い手たち(ワンダーウーマンの友人であるザターナでさえ一度は彼女への協力を拒みます)とワンダーウーマンがそれなりに触れ合い、迫りくる敵に焦りながらも魔法への理解を深めていき、事態をどうにか収拾していきます。その過程が見どころです。
そして、現状ではザターナが魔法をほぼ使えないので今後の敵をどうやってしのいでいくのか大変気になっています。
以下、ネタバレを含む感想です。
そのためのチームが今回のJustice League Darkであり、主要メンバーはWonder Woman (ワンダーウーマン)、Zatanna (ザターナ)、Detective Chimp (ディテクティブチンプ)、Man-Bat (マンバット)、Swamp Thing (スワンプシング)の5人です。他、話の状況によってコンスタンティンやデッドマンも参加します。
……ワンダーウーマンとかマンバット(元々はバットマンの敵)とか、あまり魔法と縁がないキャラクターなのでは? と思ってしまいますが、魔法の使い手たちは基本的にジャスティスリーグには協力することを良しとせず、自分たちの力で魔法をどうにかするという方針のためこんなメンバーになっています(とはいえ、おそらく「自分たちの力」でどうにかなる事態ではない)。
このエピソードのテーマは「シリーズの敵を提示する」と「ワンダーウーマンが魔法の世界になじむ」です。閉鎖的な意識の強い魔法の使い手たち(ワンダーウーマンの友人であるザターナでさえ一度は彼女への協力を拒みます)とワンダーウーマンがそれなりに触れ合い、迫りくる敵に焦りながらも魔法への理解を深めていき、事態をどうにか収拾していきます。その過程が見どころです。
そして、現状ではザターナが魔法をほぼ使えないので今後の敵をどうやってしのいでいくのか大変気になっています。
以下、ネタバレを含む感想です。
***ここからネタバレ***
ワンダーウーマンの孤独と、ザターナとの関係の変化を大変面白く読みました。
上でも書きましたが、ワンダーウーマンはもともとそれほど魔法に縁のあるキャラクターではありません。今回、魔法が壊れてどうにもならなくなっているのでやむを得ず対応に乗り出した感があります。
そして、魔法の使い手たちは魔法関係のことを他の人間たちに触れられるのを好みません。結果、ワンダーウーマンが事態に対処するために協力を求めても次々に断られる事態になります。ザターナとワンダーウーマンは友達と言っていい関係でしょうが、そのザターナにさえ最初は断られる事態に。
ディテクティブチンプと一緒にお酒を飲みながら愚痴をこぼすワンダーウーマンの姿はとても寂しいです。
そんなこんなで、初めはワンダーウーマンとディテクティブチンプとマンバットの3人からチームがスタートします。こうなると、敵の攻撃に対してはワンダーウーマンが一人で対応するという状態になります。
Justice League Dark #1 にはワンダーウーマンのこんなセリフがあります。
「マンバット! ディテクティブチンプを掴んで飛びなさい! もし闇の軍勢の前に倒れるなら私は一人で倒れるわ」
格好いいですね。でも、孤独です。
のちにザターナとスワンプシングもチームに加わってきます。そしてここで大事なポイントが、現在のザターナは実質的に魔法を使うことができないということです。現状のザターナは魔法関係のアドバイザーとしては重要な存在であっても、戦闘に関しては戦力外です。
結果、敵の攻撃に対して無力なザターナをワンダーウーマンが守るという構図も生まれます。
少なくともこのエピソードにおいて、戦力として計算できるのはワンダーウーマンとスワンプシングだけです。ワンダーウーマンの責任感からいっても、「自分の力でなんとかしなければ」という思いになり焦りが生まれるのは想像に難くありません。
一方、ワンダーウーマンは魔法のことについてほとんど何も知りませんから、ザターナから見るとワンダーウーマンの行動は危なっかしく見えます。止めたくなることも多々あり、二人の考えは対立します。また、話の中で強い力を持つことになったワンダーウーマンの精神面をザターナは心配しますがワンダーウーマンは聞く耳を持ちません。おそらく、「そんなことを気にしていたら事態が悪化して手遅れになる」とワンダーウーマンは考えているのだろうと思います。
結果、ザターナとワンダーウーマンはこのエピソードの中で良く揉めます。ワンダーウーマンがザターナの襟首をつかむ(※文字通り)シーンなどもあります。
そんなこんなで揉めながらも戦闘に入り、その中で何だかんだとワンダーウーマンも魔法について学びザターナもワンダーウーマンを信じなかったことを後悔しながらどうにか事態を収拾していきます。
最終的にはワンダーウーマンの作戦――ザターナの常識からはあり得ない作戦――をザターナが実行することで、一旦事態は落ち着きます。
ワンダーウーマンも魔法についての理解を深めたことでザターナが止めていたことの意味が分かりましたし、ザターナも今回の事態を収拾できたことでチームへの信頼感を持つようになってきました。
このエピソードは、新生Justice League Darkが一つのチームにまとまるまでを描いた物語だと思います。原初の魔法の使い手たちとの戦いは今後も激しさを増していくだろうと思いますので、事実上魔法を使えないザターナがどうなっていくのか心配なところです。
ちなみに、今回のエピソードの最後で魔女キルケさんがスーパーパワーを手に入れたらしく高笑いしていましたが、敵がキルケさんならまあ勝てるだろう……という謎の安心感があります。Trinity Vol. 3 (感想はこちら)のせいでしょうか。
ワンダーウーマンの孤独と、ザターナとの関係の変化を大変面白く読みました。
上でも書きましたが、ワンダーウーマンはもともとそれほど魔法に縁のあるキャラクターではありません。今回、魔法が壊れてどうにもならなくなっているのでやむを得ず対応に乗り出した感があります。
そして、魔法の使い手たちは魔法関係のことを他の人間たちに触れられるのを好みません。結果、ワンダーウーマンが事態に対処するために協力を求めても次々に断られる事態になります。ザターナとワンダーウーマンは友達と言っていい関係でしょうが、そのザターナにさえ最初は断られる事態に。
ディテクティブチンプと一緒にお酒を飲みながら愚痴をこぼすワンダーウーマンの姿はとても寂しいです。
そんなこんなで、初めはワンダーウーマンとディテクティブチンプとマンバットの3人からチームがスタートします。こうなると、敵の攻撃に対してはワンダーウーマンが一人で対応するという状態になります。
Justice League Dark #1 にはワンダーウーマンのこんなセリフがあります。
"MAN-BAT! TAKE DETECTIVE CHIMP AND FLY! IF I AM TO FAIL AGAINST THE ARMIES OF DARKNESS, THEN I FAIL ALONE."
「マンバット! ディテクティブチンプを掴んで飛びなさい! もし闇の軍勢の前に倒れるなら私は一人で倒れるわ」
格好いいですね。でも、孤独です。
のちにザターナとスワンプシングもチームに加わってきます。そしてここで大事なポイントが、現在のザターナは実質的に魔法を使うことができないということです。現状のザターナは魔法関係のアドバイザーとしては重要な存在であっても、戦闘に関しては戦力外です。
結果、敵の攻撃に対して無力なザターナをワンダーウーマンが守るという構図も生まれます。
少なくともこのエピソードにおいて、戦力として計算できるのはワンダーウーマンとスワンプシングだけです。ワンダーウーマンの責任感からいっても、「自分の力でなんとかしなければ」という思いになり焦りが生まれるのは想像に難くありません。
一方、ワンダーウーマンは魔法のことについてほとんど何も知りませんから、ザターナから見るとワンダーウーマンの行動は危なっかしく見えます。止めたくなることも多々あり、二人の考えは対立します。また、話の中で強い力を持つことになったワンダーウーマンの精神面をザターナは心配しますがワンダーウーマンは聞く耳を持ちません。おそらく、「そんなことを気にしていたら事態が悪化して手遅れになる」とワンダーウーマンは考えているのだろうと思います。
結果、ザターナとワンダーウーマンはこのエピソードの中で良く揉めます。ワンダーウーマンがザターナの襟首をつかむ(※文字通り)シーンなどもあります。
そんなこんなで揉めながらも戦闘に入り、その中で何だかんだとワンダーウーマンも魔法について学びザターナもワンダーウーマンを信じなかったことを後悔しながらどうにか事態を収拾していきます。
最終的にはワンダーウーマンの作戦――ザターナの常識からはあり得ない作戦――をザターナが実行することで、一旦事態は落ち着きます。
ワンダーウーマンも魔法についての理解を深めたことでザターナが止めていたことの意味が分かりましたし、ザターナも今回の事態を収拾できたことでチームへの信頼感を持つようになってきました。
このエピソードは、新生Justice League Darkが一つのチームにまとまるまでを描いた物語だと思います。原初の魔法の使い手たちとの戦いは今後も激しさを増していくだろうと思いますので、事実上魔法を使えないザターナがどうなっていくのか心配なところです。
ちなみに、今回のエピソードの最後で魔女キルケさんがスーパーパワーを手に入れたらしく高笑いしていましたが、敵がキルケさんならまあ勝てるだろう……という謎の安心感があります。Trinity Vol. 3 (感想はこちら)のせいでしょうか。