2019年1月17日木曜日

Detective Comics (2016-) Vol. 3: League of Shadows 感想

※Rebirth世界のDetective Comics各巻のこちらをご覧ください。

Renee Montoyaが出ているということで、Detective Comics Vol. 3を読んでみました。今回はそれほど登場していないですね。

【基本情報】
Writer: James T Tynion IV
Artists: Various, Fernando Blanco, Christian Duce Fernandez, Marcio Takara
Cover by: Eber Ferreira, Eddy Barrows
発行年 2017年

公式サイトはこちら。



Vol. 2(感想はこちら)でスポイラーがバットファミリーから離脱後、カサンドラ・ケインが親しく心を通わせる相手はいなくなってしまっていた。彼女は様々な思いを抱えながらもそれを言葉にすることができず、もどかしい日々を過ごす。そんな中、Lady Shivaに率いられる部隊がゴッサム市に侵入し、バットファミリーに大きな打撃を与える――というのがあらすじです。

レニーは捜査情報をケイトに伝えるという役どころでの登場でした。刑事としてそれはいいのだろうか、とも思いますがゴードン本部長もバットマン寄りですからいいのでしょうか。警察内部のバットファミリーの理解者というよりはかなり積極的にバットファミリーのため(むしろバットウーマンのため?)に動く人というスタンスになってきました。

以下、ネタバレを含む感想です。

***ここからネタバレ***

Vol. 2で気になっていたカサンドラ・ケインの教育状況ですが、教育らしきことは全然受けていないようですね。彼女はもともと暗殺術ばかりを仕込まれていたため、言葉ではなく身体の動きが彼女の第一の言語として機能するそうなのですけれども、それでコミュニケーションを取れる範囲は限られてしまいます。
ファミリーの中ではバットウーマンを最も尊敬しているようで、バットウーマンの戦い方をもっと学びたい! と思っていてもそれを言葉で表現できないもどかしさ。スポイラーがいた時はかなり親密だったようなので、もしかしたら彼女ならカサンドラの気持ちを汲み取れてくれたかもしれませんが、現在はもうファミリーにスポイラーはいませんし。

誰かカサンドラに言葉を教えてあげてください。言葉がうまく使えないと、大人になってからも苦労が絶えません。


……と思いながら読んでいたら、クレイフェイスがカサンドラにシェークスピアの本を渡していました。なるほど、これがVol. 4での「シェークスピアのお芝居を真似しながら言葉を練習する可愛い二人」につながっていくのですね。


かつてカサンドラを捨てたLady Shivaが現れ、カサンドラが彼女と戦いながら自らの信念を示していくスタイルはとてもいいと思いました。また、一度すっかり落ち込んでいたカサンドラがバットマンやクレイフェイスやダンサーの人(その体の動きにカサンドラが憧れている)との会話を通じて立ち直っていく様子はゆっくりと描かれていてとても良いと思います。

話の冒頭、ダンスに憧れて戦闘の中にもダンスのスタイルを取り入れていくカサンドラも印象的です。
彼女のすぐれた身体の動きは戦闘ではなくてたとえばダンスでも生かせるはずなのですよね。彼女自身、戦闘よりもそちらの方を好んでいるようにも見えます。バットファミリーをやめてダンスを習いたいとブルース・ウェインに相談すればおそらくそのように話を進めてくれるだろうと思いますしそちらの方が彼女の人生にはいいのでは? と思ってしまいます。

とはいっても、カサンドラ自身がバットファミリーを離れることを望まないのだろうなという気はします。彼女が一番幸せになれる道はどこにあるのでしょうか。