Justice League Dark #5-7を読みました。イベント"Witching Hour" (感想はこちら)が終了し、幕間的な印象もあるエピソードでしたが、見所がたくさんあります。
#5-6はディテクティブチンプのエピソード、#7はマンバットが語り手となるエピソードです。
【基本情報】
Writers: James T Tynion IV
Artists: Juan Albarran, Daniel Sampere, Raúl Fernández, Alvaro Martinez
Cover by: Nicola Scott, Raúl Fernández, Alvaro Martinez
発行年 2018-2019年
公式サイトはこちら (#5)。
#5-6では、ディテクティブチンプがNightMasterから受け継いだMyrraにJustice League Darkのメンバーが赴き、そこで彼の犯した失敗を知ります。一方で、Swamp ThingとコンスタンティンはDr. Fateと対峙します。
#7では、マンバットが自宅に訪ねてきた友人にこれまで起きた不思議な出来事を語るという体裁で物語が進みます。今回の敵、魔法の本来の持ち主であるOtherkindがすでにこちらの世界に入り込んできていること、普通の人にも危害が与えられていることが明らかになります。
公式サイトの予告によると#8からDr. Fateとの戦いが本格的に始まるようなので、ここで少し派手な戦いは抑えめにしつつ必要な伏線はしっかり張っておきます、というエピソードだと思います。
そして、あらすじには入らない部分で重要な描写があるエピソードでもありました。特にザターナファン、ザターナ&コンスタンティンのファンには必見です。
以下、ネタバレを含む感想です。
***ここからネタバレ***
ディテクティブチンプはNightMasterからMyrraという魔法の場所を受けついでいます。しかし、彼がきちんとMyrraを治めなかったためその地はぐちゃぐちゃになり、ディテクティブチンプは住民たちから恨みを買っている――という話なのですが、探偵に統治を求めてもなあ、と思いました。ディテクティブチンプについて語られる印象的なセリフがあって、
「まだ分からないんだけど。ボボ (※訳注: ディテクティブチンプのこと)はどうして、こんな事態の責任があるの?」
「その表現はおかしいな。責任なんて。問題は全く逆だと思う……ディテクティブチンプは一度だって責任感を持ったことがないんだ」
要するに、Myrraを統治するために必要なことをディテクティブチンプは一切しなかったと言っています。でも、探偵ってそもそも何かを行う人というよりは全てが終わった後にやってきて物事を解明する人だと思うんですよね……ディテクティブチンプのことはまだあまりよく知らないので何とも言えないのですが、NightMasterの人選ミスではないでしょうか。
この後いろいろあって、ディテクティブチンプはやっと自分のしたことの責任をとります。
一方、ザターナのファンに重要なのはこれと並行して語られるコンスタンティン&スワンプシングの戦いです。
Dr. Fateと対峙した二人はその戦力差に圧倒され、コンスタンティンはある作戦をスワンプシングに提案しますが「お前の言うことを信用しろって!?」と一蹴されます。日頃の行いから言って当然ですが、ここでコンスタンティンの言う殺し文句がすごいです。
「ああ」
……詐欺師という定評のあるコンスタンティンですから、その言葉を信用してはいけないのは基本です。特に何かうまい話を持ち込んできたときは怪しいわけですが、それはともかく。
スワンプシングもコンスタンティンの言うことはあまり信じていないはずですが、「コンスタンティンはザターナの命を守りたいと思っている」ということは確信している模様です。もしかしてスワンプシングに限らず、コンスタンティンの周りの人たちは「コンスタンティンの言うことは嘘ばっかりだがザターナを大切に思っていることだけは本当だ」と思っているんでしょうか。うわ。なんて元恋人。その割にザターナのことも騙すのがコンスタンティンでもあるんですけどね。
Witching Hourでヘカテをどうにかやり過ごしたジャスティスリーグ・ダークですが、Otherkindに対する有効な手立てはまだ見つかっていないんですよね……どうなることやら。
さて、ザターナファンにとってこの話で大事なのは、
ザターラパパ(故人)が元気そうに登場! この世界&ザターナのために頑張ってくれているぞ!
ということです。いやもう、Justice League Dark #3 (感想はこちら)の時にOtherkindから「ザターラのことは死んだ後でも拷問してやった」みたいなことを言われていたわけですが、元気そう(?)な姿に一安心です。
それはさておき。この#7のエピソード、深刻なのは読者に疑念の種を植え付けてくれたことです。この話のラストの展開からして、今度どんな情報に対しても「この情報はもしかすると敵が罠にかけるために流している情報かもしれない」と疑う余地ができてしまいました。登場人物たちはそのことを知らないので、読者が勝手にやきもきしなければなりません。今後どんな展開になろうとも、はらはらさせられることになりそうです。
#5-6
人を見る目がない人にも問題がある、と思いました。ディテクティブチンプはNightMasterからMyrraという魔法の場所を受けついでいます。しかし、彼がきちんとMyrraを治めなかったためその地はぐちゃぐちゃになり、ディテクティブチンプは住民たちから恨みを買っている――という話なのですが、探偵に統治を求めてもなあ、と思いました。ディテクティブチンプについて語られる印象的なセリフがあって、
"I STILL DON'T UNDERSTAND. HOW COULD BOBO BE RESPONSIBLE FOR ALL OF THIS?"
"FUNNY YOU PUT IN THAT WAY. RESPONSIBLE. I THINK THE PROBLEM'S JUST THE OPPOSITE... DETECTIVE CHIMP'S NEVER BEEN 'RESPONSIBLE' A DAY IN HIS LIFE."
「まだ分からないんだけど。ボボ (※訳注: ディテクティブチンプのこと)はどうして、こんな事態の責任があるの?」
「その表現はおかしいな。責任なんて。問題は全く逆だと思う……ディテクティブチンプは一度だって責任感を持ったことがないんだ」
要するに、Myrraを統治するために必要なことをディテクティブチンプは一切しなかったと言っています。でも、探偵ってそもそも何かを行う人というよりは全てが終わった後にやってきて物事を解明する人だと思うんですよね……ディテクティブチンプのことはまだあまりよく知らないので何とも言えないのですが、NightMasterの人選ミスではないでしょうか。
この後いろいろあって、ディテクティブチンプはやっと自分のしたことの責任をとります。
一方、ザターナのファンに重要なのはこれと並行して語られるコンスタンティン&スワンプシングの戦いです。
Dr. Fateと対峙した二人はその戦力差に圧倒され、コンスタンティンはある作戦をスワンプシングに提案しますが「お前の言うことを信用しろって!?」と一蹴されます。日頃の行いから言って当然ですが、ここでコンスタンティンの言う殺し文句がすごいです。
"NOTHING IS MORE IMPORTANT THAN KEEPING ZATANNA ALIVE. DO YOU UNDERSTAND, YOU BIG HOUSEPLANT? DO YOU TRUST I MEAN THAT?"「ザターナが生きているってことが一番大事なことだ。わかるか、巨大観葉植物。俺がそういうつもりだってことは信じられるか?」
"YES."
「ああ」
……詐欺師という定評のあるコンスタンティンですから、その言葉を信用してはいけないのは基本です。特に何かうまい話を持ち込んできたときは怪しいわけですが、それはともかく。
スワンプシングもコンスタンティンの言うことはあまり信じていないはずですが、「コンスタンティンはザターナの命を守りたいと思っている」ということは確信している模様です。もしかしてスワンプシングに限らず、コンスタンティンの周りの人たちは「コンスタンティンの言うことは嘘ばっかりだがザターナを大切に思っていることだけは本当だ」と思っているんでしょうか。うわ。なんて元恋人。その割にザターナのことも騙すのがコンスタンティンでもあるんですけどね。
#7
#5-6はディテクティブチンプが主役だったので今度はマンバットが主役……と思いきや、そうでもないエピソードでした。マンバットは語り手として、#6以降これまでに起きた様々な異変を読者に報告してくれます。その中では、今回の敵、Otherkindによる侵略によってとうとう一般人にまで被害が及んだことも報告されます。Witching Hourでヘカテをどうにかやり過ごしたジャスティスリーグ・ダークですが、Otherkindに対する有効な手立てはまだ見つかっていないんですよね……どうなることやら。
さて、ザターナファンにとってこの話で大事なのは、
ザターラパパ(故人)が元気そうに登場! この世界&ザターナのために頑張ってくれているぞ!
ということです。いやもう、Justice League Dark #3 (感想はこちら)の時にOtherkindから「ザターラのことは死んだ後でも拷問してやった」みたいなことを言われていたわけですが、元気そう(?)な姿に一安心です。
それはさておき。この#7のエピソード、深刻なのは読者に疑念の種を植え付けてくれたことです。この話のラストの展開からして、今度どんな情報に対しても「この情報はもしかすると敵が罠にかけるために流している情報かもしれない」と疑う余地ができてしまいました。登場人物たちはそのことを知らないので、読者が勝手にやきもきしなければなりません。今後どんな展開になろうとも、はらはらさせられることになりそうです。