・とても強い敵Darkseidが攻めてきていて地球規模のピンチになっている
・Darkseidは地球人を洗脳して自分に従わせる
の二点だったと思います。あとは大体話の中で説明されています。
【基本情報】
Writer: Greg Rucka
Pencillers: Philip Tan, Steve Lieber
Inkers: Steve Lieber, Jefferson De Los Santos, Jonathan Glapion, Walden Wong
Colorists: Philip Tan, Ian Hannin, Nei Ruffino, Jefferson De Los Santos, Jonathan Glapion, Walden Wong
Cover Color by: Ian Hannin, Nei Ruffino
発行年 2009年
公式サイトはこちら。
謎の犯罪者教団のリーダーに祭り上げられていたRenee Montoyaだったが、リーダーを装いつつ彼らの企みを砕こうとして奮闘していた。そこに、ゴッサム市警時代のパートナー、死んだはずのCrispus Allenが現れる。どうして彼は現れたのか、そして犯罪者教団の企みは実現してしまうのか――といったあらすじです。
お話としては、Gotham Central (感想はこちら)の後日談のように感じました。ReneeとAllenが主要キャラクターなのでどうしても。二人がゴッサム市警の屋上で会話をしているシーンもあって、二人とも警察に居た頃と比べて随分変わってしまったなと思いました。
Gotham Centralのラストで語られなくて気になっていたこともこの本の中で語られていました。読者の想像に委ねるために語らなかったのだろうと思っていたので、ここで語られるのは予想外だったのですが、ああそんな碌でもない結末を迎えていたのか――という感慨を持ちました。
以下、ネタバレを含む感想です。Gotham Centralについても盛大にネタバレしています。
***ここからネタバレ***
悪人に対して神が確実に裁きを下してくれるなら、人は復讐なんてことも考えなくてすむし警察もなくてすむ。
という感想を持ちました。
Allenは死後、神の代行として裁きを下す復讐の精霊Spectreになっています。彼は悪人を殺して回るのですが、一方で強すぎる悪人は殺せなかったり、情状酌量される人もいたりします。その基準は彼にもよく分かりません。なぜなら彼は、自分のことを殺したJim Corriganを復讐のために殺した息子Jakeを神の裁きで殺しているからです。
……このJakeという名前が出てきたとき、気になったのでGotham Central Book4を読み返してみました。そうしたら、やっぱり
「どうして(殺されたのはお父さんで)あなたじゃなかったの?」
という強烈な質問をレニーにしていた子でした。この後ReneeはCorriganを殺そうとしますが結局殺せません。Gotham Centralはここで終わりますので、果たして逮捕できたのだろうかと思っていましたが、結局逮捕できなかった模様です。そしてJakeがCorriganを殺すに至る――となると、ゴッサム市警の役立たず! という感想を抱いてしまうのも仕方のないことです。
前述したようにAllenは復讐の精霊ですが、その対象は必ずしも悪人すべてというわけでもなく、神の気まぐれとしか言いようのないような状況のようです。結局、罪が裁かれるかどうかは偶然に任せるしかない――ならばJakeのように自ら復讐を考えたとしても全くおかしくはありません。そしてそんなJakeだけになぜか神の鉄槌が下るのであれば、これはもう理不尽とか不条理とかそんな言葉が適切でしょう。
この作品には復讐の精霊と慈愛の精霊が登場するのですが、どちらも神の意志の代行者でありながら神の考えを聞いたわけでもなく神のことを完全に信じられるというわけでもありません。
「神は自分たちを見捨てたかもしれない」という推測は、ひどい状況に陥って進退窮まる時には大変説得力のあるものです。
物語としてはピンチに陥りつつも最後の最後でどうにかなって危機の一つは脱するのですけれどもDarkseidによる洗脳問題は解決していません(これは本編で解決するのでしょう)。神の気まぐれ問題も解決していません。
劇中、自由意志を持つことが生命である――といった主張も提示されているので、神の気まぐれにもめげず自分で事態を乗り越えていくことこそがテーマだったのかとも思うのですが、ちょっと確信が持てません。英語力と文化的素養の問題のような気がします。
悪人に対して神が確実に裁きを下してくれるなら、人は復讐なんてことも考えなくてすむし警察もなくてすむ。
という感想を持ちました。
Allenは死後、神の代行として裁きを下す復讐の精霊Spectreになっています。彼は悪人を殺して回るのですが、一方で強すぎる悪人は殺せなかったり、情状酌量される人もいたりします。その基準は彼にもよく分かりません。なぜなら彼は、自分のことを殺したJim Corriganを復讐のために殺した息子Jakeを神の裁きで殺しているからです。
……このJakeという名前が出てきたとき、気になったのでGotham Central Book4を読み返してみました。そうしたら、やっぱり
"WHY WASN'T IT YOU?"
「どうして(殺されたのはお父さんで)あなたじゃなかったの?」
という強烈な質問をレニーにしていた子でした。この後ReneeはCorriganを殺そうとしますが結局殺せません。Gotham Centralはここで終わりますので、果たして逮捕できたのだろうかと思っていましたが、結局逮捕できなかった模様です。そしてJakeがCorriganを殺すに至る――となると、ゴッサム市警の役立たず! という感想を抱いてしまうのも仕方のないことです。
前述したようにAllenは復讐の精霊ですが、その対象は必ずしも悪人すべてというわけでもなく、神の気まぐれとしか言いようのないような状況のようです。結局、罪が裁かれるかどうかは偶然に任せるしかない――ならばJakeのように自ら復讐を考えたとしても全くおかしくはありません。そしてそんなJakeだけになぜか神の鉄槌が下るのであれば、これはもう理不尽とか不条理とかそんな言葉が適切でしょう。
この作品には復讐の精霊と慈愛の精霊が登場するのですが、どちらも神の意志の代行者でありながら神の考えを聞いたわけでもなく神のことを完全に信じられるというわけでもありません。
「神は自分たちを見捨てたかもしれない」という推測は、ひどい状況に陥って進退窮まる時には大変説得力のあるものです。
物語としてはピンチに陥りつつも最後の最後でどうにかなって危機の一つは脱するのですけれどもDarkseidによる洗脳問題は解決していません(これは本編で解決するのでしょう)。神の気まぐれ問題も解決していません。
劇中、自由意志を持つことが生命である――といった主張も提示されているので、神の気まぐれにもめげず自分で事態を乗り越えていくことこそがテーマだったのかとも思うのですが、ちょっと確信が持てません。英語力と文化的素養の問題のような気がします。