※このシリーズの各話感想は以下をごらんください。
【基本情報】
Writer: Chuck Dixon
Penciller: Chris Batista
Inkers: Rick Ketcham, Cam Smith
Colorist: Guy Major
Cover by: Freddie E. Williams II
発行年 2008年
公式サイトはこちら。
ステファニー・ブラウンが死んでからも、バットマン(ブルース・ウェイン)とロビン(ティム・ドレイク)はゴッサム市の平和を守るために日々活動していた。ステファニーと恋愛関係にあったティムは学校で新しい恋人もできたが、彼女との関係は上手くいっていない。そんな中、スポイラーを思わせる紫色の衣装を着た謎のヒーローが登場しティムを苛立たせるのだったが……というのがあらすじです。
物語はティムと、最近ゴッサム市で活動しているという新顔の強盗を中心にして進んでいきます。そしてその中にぽんぽんと放り込まれているティムの学校の友達とのあれこれ。この話の中でつきあっているガールフレンドとうまくいっていないのはいいとして、友達の一人が重い事情を抱えているという設定はずんとくるものがありました。この設定がこの後に生きていくのかどうかは良く分からないのですが(単なる一エピソードとして描かれているのかも)、友達思いのティムの姿が印象的でした。
Robin誌はもしかすると、ヒーローとしてだけではなくティーンエイジャーのティムの姿も描いていくというコンセプトなのかもしれないですね。
以下、ネタバレを含む感想です。主にステファニーについて。
肝心のステファニーは、割とあっさりティムとバットマンの前に現れます。War Gamesで死んだと思われていた彼女ですが、実際はお医者さん(Leslie Thompkins、レスリー・トンプキンス)が彼女の死を偽装したそうです。War Gamesは彼女の軽率な行動がもとで多くの犠牲が出た話でしたから、とにかく彼女をゴッサムから離して新しい人生を送らせる――というのがレスリーの目的だったようです。
なるほど、理解はできます。War Gamesでの彼女の死のインパクトが大きかっただけに、実は生きていたといわれると「……え?」という感想もあるのですが、レスリーが考えていたことは納得できます。
レスリーと共にアフリカに行っていた彼女ですが、人生から逃げているような気がして再びゴッサムに戻ってきたのでした。
読んでいてうれしかったのは、ティムもバットマンも彼女のことを喜んで迎え入れたことですね。ここから再び彼女がスポイラーとして活動を始め、やがてはブルースの意思でバットガールとして活躍するようになる(感想はこちら)……と思うと、War Gamesで大失敗を犯した彼女がその失敗を乗り越えて成長したことに感慨を覚えます。
それにしても、ティム。付き合っている女の子とのデートの時はちゃんとデートに集中しましょう。