2020年5月9日土曜日

Grayson (2014-2016) Vol. 2: We All Die at Dawn 感想

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。

 New52期に連載されていた、Dick Grayson (ディック・グレイソン)とHelena Bertinelli(ヘレナ・ベルティネリ)がヒーローではなくSpyralという組織のエージェントとして戦うシリーズ。2巻でも相変わらずSpyralのために二人は戦っています。
 
【基本情報】
Writers: Tom King, Tim Seeley
Artists: Stephen Mooney, Mikel Janin
Cover by: Mikel Janin
発行年 2016年

公式サイトはこちら。



 Spyralのエージェントとして働くディック・グレイソンとヘレナ・ベルティネリは時に命の危険に晒されながらもミッションをこなしていく。彼らや他のエージェントたちの働きもあり、Spyralはヒーローたちのアイデンティティを着々と調べあげていくのだったが――というのがあらすじです。
 
 この巻は1話完結の話が続き、やや散発的な印象を受けました。二人が敵を出し抜く姿がどの話でも見どころです――と、のんびり読んでいたら最終話付近で劇的な展開になったので以下はネタバレを含む感想です。核心部までネタバレしています。
 
 
 スパイラルという組織は、
 ・トップの人たち(まだ正体が良く分からない。謎のポーズをとっている三人組)
 ・中間管理職(Minosというコードネーム)
 ・ヘレナやディック達、エージェント
 ・教育を受けている学生たちやスタッフ
 
 というメンバーで構成されていますが、中間管理職のMinosが突然組織に反旗を翻し、エージェントたちを殺しにかかります。彼はあくまで情報を得るためにスパイラルを利用していたらしく、必要な情報が集まった今スパイラルに用はないのでした――と、思いきや。
 実はスパイラルはそんな彼を見抜いてディック・グレイソンを呼び寄せるために利用していたらしい、という流れになっていきます。この辺りはスパイものらしく、話の真相が二転三転していいですね。
 
 ヘレナやディックがまだその存在にすら気づいていない手ごわい敵の存在を示して、物語はVol. 3へと続いていきます。
 
 最終的にディックがスパイラルと戦う展開になるんだろうなとは思っていたものの、2巻の時点で組織のトラブルを描いてくるとは思っていなかったので意外でした。3巻以降の展開に期待していきたいです。
 
 ……また、スパイラルが指導している学生たちにディックが人気なのも読んでいてほのぼのします……もしかすると人気というよりたぶらかされているという表現の方が適切なのかもしれませんが……。