2020年5月22日金曜日

Teen Titans (2011-2014) Vol. 2: The Culling 感想

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。

 New52期Teen TitansのVol. 2を読みました。この巻には、Wonder Girl(ワンダーガール、キャシー・サンズマーク)の力の秘密が語られるエピソードが収録されています。
 
【基本情報】
Writers: Fabian Nicieza, Scott Lobdell
Artists: Brett Booth, Various, Alé Garza, JP Mayer, Ig Guara
Cover by: Norm Rapmund, Brett Booth
発行年 2013年

公式サイトはこちら。



 この巻には、
・前巻に引き続き、N.O.W.H.E.R.E.とTeen Titansの戦いを描く。Superboy (スーパーボーイ)が仲間になる。
・N.O.W.H.E.R.E.のアジトを脱出したTeen Titansが、なぜか恐竜の住む島でサバイバルする姿を描く。
・ワンダーガールの力の秘密が明かされる。

 という、大きく分けて3つのエピソードが収録されています。N.O.W.H.E.R.E.との戦いの中で、組織の一員であるOmen(Lilth Clay)にメンバーそれぞれの弱みが明かされるなどチームメンバーを掘り下げていこうとした一冊だとおもいます。
 
 ……しかしこのOmen、Rebirth期Titans(感想はこちら)ではTitansの一員として戦うヒーローですよねえ。敵側で何をしているんだ、君は。N.O.W.H.E.R.E.は若いメタヒューマンたちをさらって殺すか洗脳するかしているようなので、彼女もその被害者なのでしょうか。
 
 残念なのは、Vol. 1で登場したばかりのSkitter (Celine Patterson)がなんだか良く分からないままに退場してしまったことです。それなりのポジションで出したキャラクターには退場させるにしてもそれなりの決着をつけてあげてほしいです。
 
 筆者がVol. 2で一番気になったのはワンダーガールのエピソードでした。New52期の彼女は、考古学者のお母さんについて世界のあちこちに行き、アンコールワットの遺跡で"Silent Armor"という古代のパワーを持った鎧に取りつかれてしまったようです。
 キャシー・サンズマーク自身はあくまで人間なのですが、鎧のおかげでスーパーパワーを発揮することができます。……しかし、彼女が力を使うたびに鎧の方が彼女を侵食していっているようです。あれこれあった末に彼女は再び鎧を身に纏うのですが、果たして今後鎧に乗っ取られる心配はないのかどうか。気になるところです。
 
 キャシーが鎧に執着する理由もちょっと良く分からないところはあります。そんな危険な鎧なら封印して置いたほうが良いのでは、とも思うのですが……。
 
 
 また、New52期Birds of Prey(感想はこちら)にちらちら出てきたKurt Lance (カート・ランス、ブラックキャナリーとして活躍するダイナ・ランスの夫)がこの作品でもちらちら登場し、Solstice (Kiran Singh)に接触しています。SolsticeはN.O.W.H.E.R.E.のせいで人間の姿を失ってしまったのですが、カート・ランスは「人間の姿に戻せる」といって彼女を自分たちの組織に誘いたい様子です。
 
 Solsticeは作中のいろいろな描写を見る限りいい人感が強いので、今後どうなるにしても幸せな方向で決着してもらいたいなと思います。