2020年5月29日金曜日

Teen Titans (2011-2014) Vol. 5: The Trial of Kid Flash 感想

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。

 New52期に連載されていたTeen Titans誌の5巻を読んでみました。このシリーズはこれでいったん終わり、また1巻からカウントし始める新しいシリーズが始まった様です。
 
【基本情報】
Writer: Scott Lobdell
Artists: Art Thibert, Barry Kitson, Tyler Kirkham, Angel Unzueta, Various
Cover by: Norm Rapmund, Brett Booth
発行年 2015年

公式サイトはこちら。



・Teen Titansが未来世界に行き、近い将来訪れる危機について知る
・未来世界で、メンバーの一人Kid Flash(キッド・フラッシュ、バート・アレン)が過去に犯した罪を知りその裁判を見届ける

 というエピソードが収録されています。予定した時期より早い段階で終わらせる必要があったのか、不穏な伏線を張っていたスーパーボーイやレイブンに関するエピソードがあっさり終わってしまったのが残念です。
 そして何より、キッドフラッシュの裁判のエピソードが重く、読後は爽快感というよりもずっしりとした重みを感じる一作でした。以下、ネタバレを含む感想です。



 
 キッドフラッシュは、実は30世紀で多くの人を殺していたのでした――という事実が明らかになります。とはいえそれは、30世紀の世界を支配する耐性に対するレジスタンスを率いていたかららしく、そもそも彼の生まれが相当恵まれていないので同情の余地は多々あります。
 とは言いつつも、彼を無理やり現代に連れ戻すわけにもいかず裁判の様子を見守るTeen Titans達。一方、バートと恋愛関係にあったSolstice (Kiran Singh)は彼を救おうと考えるのでしたが――というお話になっています。
 
 バートやSolstice、Teen Titansメンバーの下した決断がとにかく重いエピソードでした。子供たちが主役の話ですし、何かもう少し救いはなかったのですかと思ってしまうラストになっています。