2020年5月13日水曜日

Grayson (2014-2016) Vol. 4: A Ghost in the Tomb

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。

 かつてはバットマンの相棒ロビンとして戦い、独り立ちしてからはヒーローNightwingとして戦っていたDick Drayson (ディック・グレイソン)が自らの死を偽装し、Spyral(スパイラル)という謎の組織のエージェントとして戦うこのシリーズの第4巻。
 この4巻は前半にイベント"Robin War"関連のエピソードが収録されていますので本編は後半に収録されているエピソードのみとなります。

【基本情報】
Writers: Tom King, Tim Seeley
Artists: Stephen Mooney, Mikel Janin, Carmine Di Giandomenico
Cover by: Mikel Janin
発行年 2016年

公式サイトはこちら。



 Robin Warは、バットマン不在のゴッサム市にロビンの格好をした子供たちがたくさん登場し、事件を解決しようとしながらトラブルを起こすため困ったものだと思った大人たちがそれを止めようとする物語――と書くとほのぼのストーリーのようですが、実は張り巡らされた陰謀の物語です。
 Robin Warという大きなイベントの中の一部のエピソードが収録されているだけのようですので話は飛んでいる部分もあるように思いますが、一般人でありながら短期間の訓練でダミアン・ウェインとタイマンを張るまでに頑張ったDuke Thomas君が格好いいなと思いました。
 
 さて、本編の方ですが。3巻でゴッサム市の仲間たちに協力を求めたことが幸いし、スパイラル創始者やAgent Zeroと呼ばれる危険な敵の正体に迫るディック。しかし、スパイラルの中間管理職であるHelena Beritinelli (ヘレナ・ベルティネリ)はディックを追うことを決め、エージェントたちを派遣するのでした――という話になっています。成り行きでAgent 1という人物がディックと行動を共にするのですが(=スパイラルから追われる)、この人、ディックに散々な目に遭わされている割にディックに協力してくれる滅茶苦茶いい人だと思います。見かけによらずお人よしかもしれません。
 
 ディックはスパイラルを壊すことができるのか、中間管理職のわりに実は大事な情報を持っていないヘレナは生き残ることができるのか、波乱含みで物語は5巻に続いていきます。5巻の展開に期待したいです。