2019年8月11日日曜日

キャラクター紹介:ブラックキャナリー (ダイナ・ランス)

 ブラックキャナリー (Black Canary)というキャラクターは、古くからいるキャラクターであり様々な作品にも登場しているため、設定が大変複雑なことになっています。
まず初代のブラックキャナリーは1947年に登場しました。格闘術を駆使し、Justice Society of Americaに所属して戦っていたようです。
この記事で紹介するブラックキャナリーは1969年に登場しています。とはいっても、最初は初代のブラックキャナリーと同一人物という予定だったはずが、他のキャラクターとの年齢の辻褄が合わないということから「実際には初代のブラックキャナリーの娘だった」ということにしたようです。

そして現在に至るまで様々なエピソードが積み重なり、作品ごとに時期ごとに設定が少しずつ変わり……という経過を経ています。

DCコミックス社の作品は、2011年と2016年に大規模な設定の更新があったために
・New52期以前 (2011年以前)
・New52期 (2011-2016年頃)
・Rebirth期 (2016年以降)
に大きく分かれます。New52期以前もいろいろ分類できるようなのですがそれは略。

全ての時期の設定を網羅するのは無理なので、本記事では基本的にRebirth期の設定を中心にまとめています。さらにいろいろな設定を知りたい場合には海外ファンサイト (DC Database | FANDOM powered by Wikia, Comicvineなど)をご覧ください。


 

【本名】

Dinah Lance (ダイナ・ランス)

【プロフィール】

登場当初は、刑事の父とヒーロー(初代ブラックキャナリー)の母の間に生まれ、母の後を継いでヒーローになったとされていた。

Rebirth期では以下のような設定になっている。
幼いころ、母が家を出て帰ってこなかったため里子となる。しかしその家の両親と会わなかったためある夜に家を抜け出した。ダイナは母が何か重大な使命のために働いていて帰ってこないのだと信じていた。ダイナは母のように強くなろうと道場で鍛錬を続ける。16歳の時に黒帯となり、母の生存を諦めながらも犯罪と闘う日々を始めた。

【スタイル】

金髪に網タイツがトレードマーク(下図)。昔の作品では金髪のウィッグをかぶっているという設定になっていたが、近年の作品ではもともと金髪ということになっているようだ。

 Green Arrow (2016-) #3より、Black Canary (Writer: Benjamin Percy, Artist: Juan Ferreyra, Cover by: Juan Ferreyra, DC Comics)


【能力】

Canary Cry (キャナリー・クライ):声帯から特殊な音波を出すことで周りの物を破壊したり人に衝撃を与えたりすることができる。
格闘術:柔道など、複数の格闘技に熟練している。

【性格】

陽気。歌を歌うのが好きなので、作品によってはロックバンドのシンガーとしても活動している。人格者でもあり、チーム内のメンバーが対立するとなだめ役に回ることも多い。

【家族関係】

Kurt Lance:

New52期 (2011-2016年頃)のダイナの夫。ダイナと共に、ある組織のエージェントとして活動していた。

Sin:

New52期以前に登場していた。DCコミックス界で随一の暗殺者Lady Shivaの娘。ダイナが一時期引き取って育てていた。ダイナのことはSisterと呼んでいた。New52期以降は登場しなくなってしまったようである。

【恋人】

Oliver Queen:

弓矢を駆使して戦うヒーロー、Green Arrowとして活躍している。New52期以前 (2011年以前)にはダイナと結婚したり離婚したりしていた。Rebirth期ではダイナの恋人として、また犯罪を防ぐスーパーヒーローとして共闘している。大会社Queen Industryの社長でもあり、人生観についてダイナとは意見の合わないところもある。

【友人】

女性ヒーローチーム、Birds of Preyのメンバーとは基本的に友人である。多くのヒーローとも仲が良い場合が多い。Justice League of Americaなどでの人望も厚い。

Barbara Gordon:

Batgirl。New52期以前は情報収集・分析のスペシャリストであるOracleとしても活動していた。Birds of PreyはOracleが指示、ダイナが行動という形でスタートしたチームである。共に活動する間に信頼関係を築き、プライベートで困ったことがあったときにも相談する仲。

Helena Bertinelli:

Huntressとして犯罪者や犯罪組織と戦うヒーローである。Birds of Preyの主要メンバーになっていることが多い。共に活動する間に信頼関係を築き、プライベートでも一緒に行動する関係になっている。


【主な登場作品】

とにかく登場作品が多いので、筆者が読んだ作品を中心に紹介します。なお、作品タイトルからリンクを貼っている場合リンク先はこのブログ内の感想です。


1969年 "Justice League of America"誌 #75 に初登場。

ヒーローとして活動する。

1987年 "Green Arrow: The Longbow Hunters" グリーンアローと共にシアトルに移住し新生活に胸を膨らませていたが、麻薬売買のことを調査する中で敵に捕らえられ、拷問を受ける。その影響でCanary Cryの能力を失う。

1999年 "Birds of Prey"誌でBarbara Gordonにスカウトされ、Birds of Preyとして活動を始める。活動の中で、Canary Cryの能力を復活させる出来事も起きる。

2006年 "Justice League of America"誌でヒーローチームJustice League of Americaの議長に選ばれる。

2011年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52という世界観で物語が語られるようになる。

2011年 "Birds of Prey"誌に登場。New52期Birds of Preyのリーダーとして活躍する。

2015年 ソロ誌"Black Canary"刊行。ロックバンドのボーカルとして悪と戦う。

2016年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52以前の世界設定とNew52の世界設定を合わせたRebirthという世界観で物語が語られるようになる。

2016年 "Batgirl and the Birds of Prey"誌に登場。Rebirth期 Birds of Preyの中心メンバーとして活躍する。

2016年 "Green Arrow"誌に登場。Green Arrowのパートナーとして犯罪組織と戦う。


【何を読めばいいの?】

邦訳されている作品でブラックキャナリーの話が収録されているのものには、"ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ"(公式サイトはこちら)があります。


原書では入手のしやすさから、New52期やRebirth期の作品が読みやすいです。ただし、New52期は他の時期の作品と比べて設定が特殊になっていることが多いと感じます。

Batgirl and the Birds of Prey: Batgirl, Huntressと同じチームで事件の解決に携わるブラックキャナリーの姿が見られます。全3巻と短いですが、後半に進むにつれ他のヒーローたちも登場してきて楽しむことができます。

Black Canary: New52期のブラックキャナリーのソロ誌です。ロックバンドのボーカルとして活躍しながら敵と戦うブラックキャナリーの姿が見られます。

Green Arrow (2016-2019): Green Arrowと恋人関係になりつつ、犯罪組織と戦うブラックキャナリーの姿が見られます。

この記事からリンクを張っている記事以外にも、ブラックキャナリーの登場作品の感想を書いています。Black Canary (Dinah Lance)のラベルがついている作品をご覧ください。