2019年3月24日日曜日

キャラクター紹介: レニー・モントーヤ

 レニー・モントーヤについての知識もだいぶたまって来たのでまとめます。レニーの場合、GCPDの一刑事だった時期(=初期、1992年~2003年ごろ)、Greg Ruckaにより様々なエピソードが描かれレニーの立場が変わっていった時期(=グレッグ・ルッカ期、2003年~2011年)、Rebirthの大規模リランチ後(=Rebirth期、2016年~)と時期によって描かれ方が異なります。




【本名】

Renee Montoya (レニー・モントーヤ)

【出身地】

ゴッサム市。両親はドミニカ出身。

【職業】

ゴッサム市警 (Gotham City Police Department, GCPD)のMajor Crime Unit(重犯罪課)の刑事。もしくは、顔のない探偵Questionとして活動している。2016年以降のRebirth期は刑事として活動している。

【性格】

犯罪者には厳しい。刑事としては強面。強情で、人の言うことを聞かないことも多い。情に厚い。
ゴッサム市警刑事には珍しく、バットマンやバットファミリーの活動には好意的。初期、グレッグ・ルッカ期、Rebirth期でやや性格が異なる。初期、Rebirth期は比較的性格も穏やかで言葉遣いも悪くないが、グレッグ・ルッカ期は性格がきつい&言葉遣いが悪い。

【スタイル】

大抵は刑事として行動のしやすいジーンズ&ジャケットといった服を着ているが(下図)、潜入捜査等必要があればドレスアップする場合もある。
Renee Montoya from Batwoman
Batwoman (2016-) #17より、レニー・モントーヤ(右)。左はバットウーマン。 (Writer: Marguerite Bennet, Artist: Fernando Blanco, Colorist: John Rauch, Letterer: Deron Bennet, DC Comics)


【能力】

刑事として鍛えた高い捜査能力と身体能力を持つ。

【家族】

Hemando Montoya, Louisa Montoya:

レニーの両親。ゴッサム市で"Montoya's Grocery"という食料品店を営む。信仰心が篤く、レニーがレズビアンであることがアウティングされてからはレニーと絶縁する。

Benny Montoya:

レニーの弟。レニーがレズビアンであることを知っていたが、両親には隠していた。

【仕事上のパートナー】

Harvey Bullock:

"Gotham Central"以前、およびRebirth期でのレニーのパートナーの刑事。型破りなタイプ。

Crispus Allen:

"Gotham Central"でのレニーのパートナーの刑事。優等生タイプ。

【恋人関係】

Kate Kane:

バットウーマン。レニーが交通課の警官だった頃に知り合い恋人となる。ある日喧嘩して別れる。ケイトがバットウーマンになるのはレニーと別れた後。グレッグ・ルッカ期は顔を合わせるたびに喧嘩をする元恋人という関係だった。Rebirth期では元恋人であっても穏やかに話せる関係になる。

Daria:

"Gotham Central"の頃のレニーの恋人。レニーを献身的に支えていたが、アルコールに依存し自滅していくレニーを見るのに耐えられずレニーと別れる。

【友人関係】

Vic Sage:

探偵クエスチョン。ゴッサム市警を辞めたレニーに目をつけ、自分の後継者として育て上げた。どん底状態のレニーのよき理解者であり、共に活動するうちに友人となった。

Helena Bertinelli:

ハントレスとして、ゴッサム市の悪と戦うヒーロー。クエスチョンとなったレニーと共闘するうちに友人となった。

【キャラクターの変遷】

レニーはもともとアニメのバットマンに登場するキャラクターだったそうですが、コミックに逆輸入されました。初期(1992年~2003年ごろ)、グレッグ・ルッカ期(2003年~2011年)、Rebirth期(2016年~)と時期によって分けて見たほうが分かりやすいです。レニーの人物像が最も掘り下げて描かれているのはグレッグ・ルッカ期です。以下、簡単にまとめます。

なお、各タイトルからリンクを張っている場合、リンク先はこのブログ内の感想ページです。

1992年 "Batman"誌 #475 に初登場。

刑事として様々な事件に関わる。"Bullock's Law"など。

1999-2000年 "Batman: No man's land"ゴッサム市が地震により多大な被害を受ける。米国政府に見捨てられたゴッサム市に残り、旧警察の一員として一定の治安の維持に努める。

2003-06年 "Gotham Central"誌刊行。ゴッサム市警のメンバーが主役として事件の解決に奔走する姿が描かれる。レニーはこの間、レズビアンであることをアウティングされ、さらにパートナーが殺されるという事態に至り、最終的に警察を辞める。

2006-07年 "52"刊行。警察を辞めてアルコール依存に陥っていたレニーだったが、顔のない探偵・Questionに仕事を依頼されているうちに徐々に回復していく。最終的にQuestionの立場を継ぐ。この作品で初めてバットウーマンとの関係が明らかになる。

2008-09年 "Final Crisis"刊行。巨大な危機に対して活動する。スピンオフ作品"Final Crisis: Revelations"はレニーが主役となっている。

この後もQuestionとして活動する。

2011年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52という世界観で物語が語られるようになる。特殊な設定の作品を除き、レニーはほぼ登場しなくなる。

2015-17年 女性ヒーローを集めたスピンオフ作品"DC Comics: Bobshells"刊行。レニーはスペイン内戦の闘士として登場。主にバットウーマンとの関係が語られる。
2017-18年 上記作品の続編にあたる"Bombshells United"刊行。前作に引き続きレニーとバットウーマンの関係が語られる。重要なエピソードの一角を担う。

2016年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52以前の世界設定とNew52の世界設定を合わせたRebirthという世界観で物語が語られるようになる。

2016年 "Detective Comics"誌 #936において、New52以降初めて通常の連載誌にレニーが登場。以後、ゴッサム市警の刑事として、バットウーマンやバットファミリーにさりげなく協力する姿が描かれる。刑事としてのパートナーはHarvey Bullockに戻る。

2018年 "Batwoman"誌 #17-18において、バットウーマンと共闘する姿が描かれる。レニーの設定としてはバットウーマンの元恋人であり、ゴッサム市警の刑事。

2003年以前の"Detective Comics"誌や"Batman"誌など、レニーが一刑事として登場する作品は沢山あります。

【Rebirth期の設定のまとめ】

現在分かっているレニーの設定をまとめておきます。
・ゴッサム市警、Major Crime Unit (MCU, 重犯罪課)の刑事。
・刑事としてHarvey Bullockとコンビを組んでいる。
・性格は比較的穏やか。
・バットマン、バットウーマンなどバットファミリーには好意的。たまに捜査情報を流す。
・ゴードン本部長からの信頼は厚い。
・Rebirth期当初、バットウーマン(ケイト・ケイン)とは元恋人だが、穏やかに話せる信頼できる友人という関係だった。その後恋人関係に戻っている。


【何から読めばいいの?】

・邦訳で読んでみたい方は

・"ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ"(公式サイトはこちら)。
 レニー・モントーヤが活躍する作品も収録されています。
・"ゴッサム・セントラル:正義と悪徳と" (公式サイトはこちら)。
 Gotham Central 全4巻のうち、1巻が邦訳されています。

・とにかくレニー・モントーヤというキャラクターに触れてみたい人はこちら

"Gotham Girls"
アニメ作品を漫画化した作品です。5話という短いストーリーの中にコンパクトにレニーの活躍が描かれています。刑事としてのレニーの立場や気持ちが語られます(恋人関係の描写はありません)。
"DC Comics: Bobshells"
"Bombshells United"
独自の世界観およびキャラクター設定により構築されたスピンオフ作品なので、レニーの設定を知らなくても読めます。レニーというキャラクターのイメージを掴むことができます。


・初期のレニー・モントーヤを知りたい人はこちら

"Bullock's Law"
型破りなブロック刑事と共に捜査するレニーの姿が描かれます。

・重いのもOK! グレッグ・ルッカ期のレニー・モントーヤというキャラクターをよく知りたい人はこちら

"Gotham Central"
"52"
"Gotham Central"は群像物の警察ドラマとしても楽しめます。"52"はレニーがどん底から回復していく様が描かれます。

・バットウーマンとレニーの関係を読みたいんだけど……という人にはこちら

Bombshellsシリーズ
"52"
"Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III"
"Detective Comics (2016-)" Vol. 1-3, 5, 7.
"Batwoman (2018)" Vol. 3

"Detective Comics (2016-)"に登場するレニーはあくまで端役です。そう思って読みましょう。
"52"はバットウーマンの初登場作品でもあるので、バットウーマンファンにもおすすめです。
"Batwoman by Greg Rucka and J. H. Williams III"でのレニーの登場シーンはわずかですが、バットウーマンとのなれそめが語られます。


この記事からリンクを張っている記事以外にも、レニー・モントーヤの登場作品の感想を書いています。Renee Montoyaのラベルがついている記事をご覧ください。