2019年2月11日月曜日

Flashpoint: The World of Flashpoint featuring Batman 感想

※このシリーズの各話感想は以下をご覧ください。


ザターナが登場しているので、イベントFlashpointの中のミニシリーズ、"Secret Seven"を読みました。TPB (単行本)では"Flashpoint: The World of Flashpoint featuring Batman"という本の中に収録されています。

【基本情報】
Writer: Peter Milligan
Artists: George Perez, Fernando Blanco, Skott Koblish
Colorists: Tom Smith, Brian Buccellato
Cover by: Dave Johnson
発行年 2012年

公式サイトはこちら。



なにしろ超大型イベント、フラッシュポイントの中のエピソードです。New52の大規模リランチの布石ともなったという、大型イベントです。
現時点でフラッシュポイントを全部読む根性はありませんが、このエピソードを読むために必要な知識は先に理解しておきたい――ということで、フラッシュポイントのあらすじを頭に入れてから読み始めました。


結論から言うと、フラッシュポイントの知識はそんなに必要ありません。フラッシュ自身もこのエピソードに登場するわけではありませんし。
「普段の世界とは少し違う世界の話で、ヒーローたちの様子も少しずつ違うらしい」ぐらいの知識で十分です。あとは作品内で説明されます。


サイボーグに依頼され、魔法チームSecret SevenのリーダーになったShade the Changing Manだったが、他の6人のメンバーが次々に死んでしまう。果たしてShadeが殺したのか? そして新たにSecret Sevenのメンバーになった一同の運命は?
というのがあらすじです。

ザターナは新たなSecret Sevenのメンバーの一員としての登場ですが、別世界のキャラクターであることのアピールなのか、ファッションがとても個性的です。
右目の周りにZのタトゥーを入れてみたり、イヤリングにもZの文字が。頭文字はそんなにアピールしたいものでしょうか(まあ、Zatanna Zataraという名前だとアピールしたくなるのかもしれません)。露出もかなり多い……ほぼ下着のような。性格もいつもよりきつめのような気がします。

一方、今回のキーパーソンShade The Changing Manはあまり変化がないような気がします。安定して情緒不安定です。サイボーグも何を考えて彼をリーダーにしたのか……と思いました。

以下、ネタバレを含む感想です。それなりに重大なネタバレもあります。

***ここからネタバレ***

フラッシュポイント本編の都合で、ザターナたちを殺しておく必要があったのかなと思える話でした。この話の中でザターナを含め魔法の使い手たちが数人死ぬんですが、割とばたばたと死んでいく感じだったので。

彼らの死に大きく関わっているはずのShadeがその死を受け止められなくて呆然としている様子なのも、ただただぼんやりとしているように見えて「誰だShadeをリーダーにしたのは」という気持ちになります。サイボーグに人を見る目はあるのでしょうか。

ザターナはレイブンとマインドワープが殺されたことで、魔女エンチャントレスを殺そうとして"death spell"を発動し、その魔法の代償で死んでいきます。しかし、お父さんを殺したような相手を殺すためならともかくも、エンチャントレス相手に確実に自分も死ぬような魔法を発動するかな? と思いました。そこはやはり別世界のザターナということかもしれません。

現実を歪曲する能力を持つShadeがキーパーソンになっている話ということもあり、現実離れしたややグロテスクな描写もあれこれ出てきます。これを読むと、Justice League Dark (2011-2015) Vol. 1 (感想はこちら)のShadeはあれでも情緒が安定していたんだなと思えます。あちらはあちらで、グロテスク描写がやっぱりグロテスクなんですけどね。