Rebirth期TitansのVol. 5を読みました。Vol.1-Vol.4までの流れはJustice League: No justice (感想はこちら)とHeroes in Crisis (感想はこちら)でいったん止まり、リニューアルしたチームで新章に突入します。
Written by: Dan Abnett
Art by: Various, Guillem March, Brent Peeples, Brandon Peterson
Cover by: Stjepan Sejic
発行年 2019年
公式サイトはこちら。
様々な事件が起き、若手チームタイタンズは解散していた。しかし、Metalという事件の影響でEmergent Energyという謎のエネルギーがこの世界に流れ出した。エネルギーに触れた人は思わぬ能力を得ることになり、そのコントロールが不十分なまま様々な事件が起きることになる。Nightwing (ナイトウィング、ディック・グレイソン)は事件に対応するため新しいタイタンズを立ち上げるのだったが――というのがあらすじです。
前チームからの残留組はナイトウィング、Donna Troy (ドナ・トロイ)の二人です。新メンバーとして、悪魔Trigonの娘であるRaven (レイブン)、動物に変身できる能力を持つBeast Boy (ビーストボーイ、ガーフィールド・ローガン)、自ら作った超性能の鎧を身に纏って戦うSteel (スティール、ナターシャ・アイロンズ)が加わります。
さらに大人たちのヒーローチームであるJustice Leagueから火星人のMiss Martian (ミスマーシャン)がお目付け役として派遣されてくるのですが、彼女とナイトウィングは良く揉めています。
ナイトウィングとミスマーシャンの揉めっぷりは、Vol.1-4の流れでタイタンズがジャスティスリーグに怒られていた流れを引きずっているような気もしますね。
タイタンズは子供ヒーローのチームではなく、あくまで「若い大人ヒーロー」のチームです。戦力としてしっかり考えられていますしジャスティスリーグとしても頼りにしているのですが、大人としてはあれこれ口出しをしたくなってしまうのかもしれません。
お話としては謎エネルギーの引き起こす事件に対処しつつ、チームメンバー内の理解を深め、さらに敵に迫っていく――というところなのですが、チームメンバーの多くが不穏な点を抱えているのが見どころです。
まず、レイブンは話の中で彼女の持つ魔力の一部を失い、また感情を感じられなくなってしまいました。
ビーストボーイは、タイタンズ加入以前から謎のエネルギーの影響で力のコントロールが難しくなってしまっています。
ミス・マーシャンはお目付け役としてチームメンバーからうさん臭く思われながら、真の姿が現れることへの不安を感じています。
そしてドナ・トロイはお酒をたくさん飲むようになりました。
彼女は将来自分が邪悪な存在になってしまったことを恐れています。また、Vol. 4までのチームメンバーであり彼女の恋人でもあったArsenal (アーセナル、ロイ・ハーパー)を失ったことを悲しんでいます。ロイ自身がかつてアルコール依存症に苦しんでいたことを思うと、彼女の飲み方を見ていて心配になります。
そして、この巻の終盤でナイトウィングにも衝撃的な事件が起きます。
今のところ、不穏なものを感じさせないメンバーはスティールだけです。この状況で、チームは今後襲ってくる敵にどう対応していくのか。次巻の展開に期待したいです。