2020年10月1日木曜日

Titans (2016-2019) Vol. 6: Into the Bleed 感想

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。

  Rebirth期Titansの最終巻を読みました。Vol. 5(感想はこちら)でNightwing (ナイトウィング、ディック・グレイソン)が集めた新しいメンバーによるチームになりましたが、他誌の展開の影響でディックはチームから離脱しました。このVol. 6では残ったメンバーでストーリーが展開していきます。

 

【基本情報】
Written by: Dan Abnett
Art by: Minkyu Jung, Clayton Henry, Bruno Redondo
Cover by: Clayton Henry
発行年 2019年

公式サイトはこちら。



 Vol. 5の後に起きたイベント "Drowned Earth"にTitansも巻き込まれたらしく、全員でどうにかピンチを脱したところ謎の惑星に漂着してしまった――というところから物語は始まります。

 この星には敵らしい敵は特にいないようでしたが、食べ物にできるような動物もいないらしくとにかく脱出しなければ、となる一同。しかし焦りの中でとにかく揉めるようになります。

 

 この展開で見どころになっているのが、Donna Troy (ドナ・トロイ)の行動です。ディックを失ったことでリーダー不在となったチームですが、古くからTitansにいるメンバーとしてチームをまとめるべく立ち上がります。

 チームをまとめる時のキーワードが"friends"です。Titansは友達同士の仲良しチームだからダメなのではないのか、とVol. 4で大人のヒーローチームであるJustice Leagueから言われていました。しかしやはりTitansのベースになるのは友情だ――ということを感じさせます。この巻の最後にはナイトウィングの回想シーンもあるのですが、Justice Leagueとは違う形のチームのあり方を模索していた彼の意思を継いだ形にもなっていると思います。

 

 筆者はドナ・トロイの活躍を見たくてこのシリーズをずっと読んでいたので、彼女がリーダーとしてチームを率いるという流れにやっとこういう展開になってくれたかと非常にうれしく思いました。

 New52期のWonder Woman誌(感想はこちら)でワンダーウーマンを倒すために産み出された彼女が、苦闘の末にようやく掴んだ居場所が、このリニューアルしたTitansだったと感じます。それだけに、この巻でストーリーが終わってしまったのが惜しいです。

 

 この巻の後半でTitansはGreen Lanternの一人、カイル・ライナーをチームメンバーに加えます。そして前巻の時からずっと言われていたRavenの力が半減してしまっている問題も解決していきます。非常に燃える展開になっていますが、やはりもっとこのチームの活躍を見たかった――ナイトウィングが復帰してくるまでチームを続けていて欲しかった――と思ってしまうのでした。