2020年4月22日水曜日

Grayson (2014-2016) Vol. 1: Agents of Spyral 感想

※このシリーズの各巻感想は以下をご覧ください。

ヘレナ・ベルティネリ(Helena Bertinelli)が副主人公的なポジションとして活躍するということでGraysonのVol. 1を読んでみました。

【基本情報】
Writers: Tom King, Tim Seeley
Artists: Stephen Mooney, Mikel Janin
Cover by: Andrew Robinson
発行年 2015年

公式サイトはこちら。


かつてバットマンの初代相棒のロビンを務めたDick Grayson(ディック・グレイソン)。大人になった彼はバットマンから独立し、ヒーロー、Nightwing(ナイトウィング)として活躍していたが、ある戦いの中で全世界に正体を曝された上に殺される。
しかし、実際は彼は生きていた。そして、親しい人たちに危害が及ばないよう身を隠していたのだ。マインドコントロールや記憶の操作を行い、世界の怪しげな武器を手に入れている組織Spyral(スパイラル)のエージェントであるヘレナ・ベルティネリは彼が生きていることを見抜き、スパイラルの新しいエージェントとして彼をスカウトするのだったが――というのがあらすじです。


物語としてはまだまだ序盤ですので、スパイラルに入ったばかりのディックの戸惑いを描きつつ、スパイラルという組織の怪しさを描いていく――という巻になっています。ディックがスパイラル入りを受け入れたのもバットマンにスパイラルの内情を流すためらしく、そのうちにバットマンとスパイラルの戦いになっていくのだろうなと予想できます。
筆者が気になるのはヘレナ・ベルティネリのことでして、マフィア一家の生き残り(たぶん)である彼女がどうしてスパイラルに入ったのか、またディックがバットマンに組織の情報を漏らしているのを彼女が見逃しているのはなぜなのか――というあたりが今後解明されることに期待したいです。

それにしてもこのシリーズ、ヘレナがあくまでもヘレナ・ベルティネリとして活動しているのでハントレスのコスチュームや仮面をつけることがないのですよね。武器は相変わらずクロスボウですが。
これはこれで格好良くていいな、と思うのでした。エージェントの顔を見られても記憶操作により忘れさせることができる、防犯カメラなどの画像でも顔の部分だけ画像をいじることができる、というスパイラルの技術があるからこその設定ですね。