2019年12月8日日曜日

Red Hood: Outlaw (2016-) #28 - #29 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。

 Batwoman (バットウーマン、ケイト・ケイン)がゲストで登場するRed Hood: Outlawの28話を読みました。29話のラストにはRenee Montoya(レニー・モントーヤ)も出てきます。
以前アルテミスが登場するので読んでいたRed Hood and the Outlaws (感想はこちら)と同一のシリーズですが、アルテミスとビザロが退場してRed Hood(レッドフード、ジェイソン・トッド)の一人旅になったからかタイトルが変わっています。凝っているとは思うのですが、後から単行本で追いかけるときに読む順番が分かりにくくなってしまうのでタイトルは同じままサブタイトルなどで凝ってもらえる方が読む側としては助かります。

【基本情報】
Writer: Scott Lobdell
Artist: Pete Woods
Cover by: Pete Woods
発行年 2018年

公式サイトはこちら。



筆者が読んだRed Hood and the Outlaws のVol. 4 (感想はこちら)まででは、アルテミス、ビザロとチームを組んで活動していたジェイソン・トッドが様々な経緯ののちに二人と別れることになりました。その一方で、父の仇であるペンギンを撃ったことで殺人を決して認めないBatman (バットマン、ブルース・ウェイン)にぼこぼこにされるものの、ジェイソンの旧友のArsenal (アーセナル、ロイ・ハーパー)が現れジェイソンを助ける――と物語が展開していました。

そこから数話おいた#28では、ジェイソンはロイ・ハーパーをも失ったらしく、失意の中で旅をする彼の姿が描かれています。途中立ち寄った村で村人たちに襲われピンチになるものの、タイミングよく現れたバットウーマンと共に戦うことになります。

印象的だったのは、ケイトがジェイソンにとても優しいことでした。ジェイソンがロイを失ったことを知っていたようで、こんな風に話すケイト。

"I'M SORRY. ABOUT YOUR LOSS. I NEVER GOT 'ARSENAL', BUT I KNOW YOU TWO WERE CLOSE."
「アーセナルのこと、お気の毒ね。アーセナルに会ったことはないけれど、親しかったんでしょう」

ヒーローとしての仲間にこんな風に率直に同情するケイトは珍しい気がします。もちろん、妹のベスや恋人のマギーやレニー相手にはいろいろな感情を見せているケイトですが、バットファミリーの一員として若手ヒーロー(主にカサンドラ・ケインとステファニー・ブラウン)を指導していた時のケイトは特にメンバーと情緒的な交流をしている様子はなかったですし。
この話でもちらりと触れられている、Detective Comics (2016-)(感想はこちら)でクレイフェイスを殺した後の数々の修羅場を経た末にRed Robin (レッド・ロビン、ティム・ドレイク)とは情緒的なやり取りがありましたが、今回の場合そこまでの修羅場を共有していなくても普通にジェイソンに同情できている、のですよね。

バットウーマンとして登場したころから、ケイトは自分のことや自分の家族のこと、自分の恋人のことで常に手一杯だった印象があるのですが、ようやくヒーロー仲間にも目を向けるゆとりが出てきたのかもしれません。
Rebirth期のBatwoman誌(感想はこちら)で妹のベスを取り戻したり、元恋人だったレニー・モントーヤとよりを戻したりしたのでいろいろ落ち着いたのでしょうか。

ともあれ、事態を解決した後でケイトはジェイソンにバットマンとのことでさりげなくアドバイスをしつつ、レニーの運転する車にジェイソンを乗せてちょうどいいところまで彼を送っていくようです。

この三人のシーンが少しだけあります。こんな感じです。


 Red Hood: Outlaw (2016-) #29より。

この三人といえば、筆者が好きなDC Comics: Bombshellsでは疑似的な親子関係だったのでした。Bombshells中ではスペイン内戦時に手を取り合って戦っていたケイトとレニーが、息子のように育てていた男の子がジェイソン・トッドだった――というわけで、上のコマに描かれている三人は、下のコマに描かれている三人と同じメンバーだということになります。
DC Comics Bombshells (Vol. 3): UPRISING より (Writer: Marguerite Bennett. Artists: Mirka Andolfo, Laura Braga. DC Comics)。

Red Hood: Outlawでの三人のコマを見た時、「ジェイソン、こんなに大きくなって」という感慨を抱いてしまったのでした。