Katanaの初登場作品はThe Brave and the Bold #200 (Amazonのページはこちら)ですが、収録されているのはこのBatman and the Outsidersの予告編なので、実質的な初登場はBatman and the Outsiders #1になります。
【基本情報】
Writer: Mike Barr
Artist: Jim Aparo
Cover by: Jim Aparo
発行年 1983-1984年
Amazonのページはこちら (#1)。購入及び数ページ分の試し読みができます。
#1-#2でOutsidersというチームのメンバーが結集する様が描かれ、#11-#12ではKatanaさんの過去話が描かれます。以前読んだRebirth期Suicide Squad (感想はこちら)のKatanaのエピソードは、このBatman and the Outsiders で描かれたエピソードをうまくよみがえらせていたのだな、と思ってよくよく見るとライターはMike Barrで、Rebirth期Suicide SquadでKatana編を書いた人と同じですね。セルフリメイクといった感じだったのでしょうか。
バットマンの盟友のLucius Foxが東欧のMarkoviaで起きた革命に巻き込まれ行方不明になります。バットマンは彼を助けるためJustice Leagueに協力を求めたものの、すでにリーグは国連との約束で革命には介入しないということになったので動けないと断られ、それならば単身でMarkoviaに向かう――というのが物語の発端になっています。
KatanaやHalo、Geo-Forceなどのメンバーはそれぞれの事情でMarkoviaにいて、バットマンと協力することになります。彼らの能力を見たバットマンはOutsidersというチームを結成し彼らと共に活動するようになります。
なお、この本はBatman and the Outsidersですが、後にバットマンはチームを離れるようでOutsidersはOutsidersというチームで活動していくことになります。このシリーズが終了したのちもKatanaは"Outsiders"という名のチームでの活躍が描かれることが多いようです。
さて#11-#12では、Outsidersに入りメンバーたちとも仲良くやっていたKatanaさんが仇敵からのメッセージを受け取り故郷である日本に単身帰国します。メンバーたちも彼女を助けるために日本に入り、そこで彼女の過去を知ることになります。
ファンサイトなどにまとめられている彼女の過去はほぼこの作品で語られているそのままですが、
・タツは日本で育った普通の少女だった。運動の技能は抜群だった。
・長じて双子の兄弟、Maseo(マセオ?)とTakeo(タケオ)の両方から求婚される。
・タツはMaseoを選ぶ。時を同じくしてTakeoはヤクザに入り、タツたち夫婦とは疎遠になっていった。
・タツは二人の子供(YukiとReiko)を産み一家は幸せに暮らしていたが、村正の魔剣を手に入れたTakeoが一家のもとへ。Maseoと二人の子供を殺した。
・タツはMaseoの魂が封じられた魔剣を手に、復讐を誓うのだった。
という流れです。#1で彼女がMarkoviaにいたのは、Takeoを支援した仇がMarikoviaにいたから、ということだったのでした。
以下、#11-#12についてネタバレを含む感想です。
この#11-#12で印象的だったのは、タツとHaloの関係です。Rebirth期Suicide Squadで描かれているのと同じように、このシリーズでも二人は同じマンションに住んでタツが保護者的な役割を果たしています。
ストーリーの中で、Maseoの魂が実体化してTakeoにタツを殺すよう操られる場面があります。Maseoはタツに自分を殺すよう迫るのですが、タツは殺すことを拒否します。
Maseoはどうするかというと、やむにやまれずHaloを殺すふりをします。ここでようやく、タツはMaseoを殺す(そもそも死んでいますが)という決断をします。
タツの過去の家族(Maseo)から、現在の家族(Halo)を選んだ場面のように見えました。
ところで以前から気になっていた、「Katanaは相手を切り殺すヒーローなのにバットマンは気にしないの?」という問題ですが、この4話分ではバットマンはそんなに気にしていないようです。Katanaさんが復讐のターゲットのみを殺しているということで不問に付されている模様です。時代によるバットマンのキャラクターの変化でしょうか。