【基本情報】
Writer: Frank Miller
Penciller: Neal Adams, Frank Miller, Jim Lee
Inker: Neal Adams, Frank Miller, Scott Williams
Color by: Alex Sinclair
Cover by: Jim Lee
発行年 2008年(単行本の発行年。連載されていたのは2005年頃)
公式サイトはこちら (Vol. 1)。
ゴッサム市の犯罪者を倒すバットマンは、その非人道的なやり方でヒーローたちの鼻つまみ者となっていた。そんな彼は、自分の後継者としてDick Grayson (ディック・グレイソン)に目をつけていた。ある日、ディックの両親が殺されるのを目撃した彼はディックを引き取り自分のもとで育て始めるのだったが――というのがあらすじです。
まず言っておかなければならないのは、現在電子書籍で買える1~10話で話は完結していません。10話ラストに"To Be Continued"とあるものの、続きは買えません。というわけで、話の雰囲気を楽しみつつもストーリーの行く先にはそこまでこだわらないという読み方ができる方に向いています。
ちなみに、上にリンクを張った単行本には9話までしか収録されていませんので、10話は別に購入する必要があります。
作品の雰囲気ですが、ヒーローたちが誰もかれも優しくないというのが印象的でした。バットマンはもちろん、スーパーマンもワンダーウーマンも、強さはあっても優しさはありません。結果、大変トゲトゲした雰囲気に。
ブラックキャナリーに至っては、ヒーローというより悪人じゃないの? という行動に走っています。それでも彼女は魅力的なのが不思議です。
物語はディックという存在を得たバットマンがどう変わっていくか、ということを中心にしていたのではないかな、という気がしますが、何しろラストまで読めていないので良く分かりません。
ただ、この作品では「バットマンは狂っている」ということが前面に押し出されているため、恐竜の像や格好いい車(バットモービル)のあるバットケイブの様子が、「バットマンの時間は彼の両親が殺された小学生の時で止まっている」ことを強く印象づける作品になっていました。確かにあれは「小学生男子が考える最強の秘密基地」の具現化であるかもしれません。
さらに第10話ではゴッサム市警刑事のジム・ゴードン家(バーバラ・ゴードンの家ですね)の複雑な人間模様も描かれており、続きを読みたかったのですが残念です。