2019年12月3日火曜日

Teen Titans (1966-1978) #22 感想 -初めて語られるDonna Troyのオリジン-

 Donna Troy(ドナ・トロイ)というキャラクターは、大抵のファンサイトで「様々なオリジン(生まれやヒーローになった事情の設定)がある」とか、「オリジンが曖昧である」とか書かれています。
 どうも大きな事件を描くたびに彼女の設定が変わっていったらしく、そんなことになっているようです。
 
 2011年の大規模設定リセット以降は「ワンダーウーマン(ダイアナ)を倒すための兵器として作られたが、その目的は果たせずヒーローとして活動するようになった」という設定が現在まで続いています。
 
 一方、昔の設定はそれとはかなり違っていたようなので、そのオリジンが語られているというTeen Titans (1966-1978) #22 を読んでみました。
 
【基本情報】
Writer: Neal Adams, Marv Wolfman
Pencillers: Neal Adams, Gil Kane
Inker: Nick Cardy
Cover by: Nick Cardy, Gaspar Saladino
発行年 1969年

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 この作品で語られているドナ・トロイ(この当時はワンダーガールと名乗って活動していました)の設定は、
「赤ちゃんのころ、火事になった家からダイアナが助け出した。一緒にいて死亡した大人は彼女の両親と考えられたが、彼らが誰であるかを誰も知らず、ダイアナは赤ちゃんをセミッシラに連れて帰った。ダイアナの母ヒッポリタは赤ちゃんを養女として育て、彼女がドナ・トロイとなった」

 というものです。なお、アマゾン族の不思議パワーによりダイアナと同じような力を得たことになっています。
 
 現在の設定よりはこちらの設定の方が温かくて好きなのですが、この設定にはもう戻らない……のでしょうか。ダメなのでしょうか。
 
 なお、この話の中でワンダーガールはコスチュームに飽きたらしく、新しいコスチュームを作ります。元々のコスチュームがいかにも「ワンダーウーマンの子供版」だっただけに、新しいコスチュームデザインは彼女の成長と自立を感じさせます。
 
 「ワンダーガール」とはもともと少女時代のワンダーウーマンを指す名前で、諸々の事情で「実はワンダーガールはワンダーウーマン(ダイアナ)とは別人のドナ・トロイです」ということになったようです。この「諸々の事情」は「ワンダーウーマン アンソロジー」(感想はこちら)に書いてあります。
 このTeen Titans #22で描かれたエピソードは彼女が自らの過去を確立させ、ダイアナとは違う一人のキャラクターとして歩み始めるための物であったように感じました。