2019年12月15日日曜日

Batgirl (2016-) Vol. 5: Art of the Crime 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


セールで安くなっていたので、Rebirth期BatgirlのVol. 5を読みました。メインライターがScott氏に代わって最初の一冊になります。

【基本情報】
Writer: Mairghread Scott
Artists: Elena Casagrande, Norm Rapmund, Paul Pelletier
Cover by: Rafael Albuquerque
発行年 2019年

公式サイトはこちら。




この単行本には、
・バーバラ・ゴードン (Barbara Gordon, Batgirl)が、連続殺人鬼である弟のジェームズ・ゴードンJr (James Gordon Jr.)のことを最近起きた事件の犯人ではないかと疑う話
・バットガールがグロテスク (Grotesque)という敵と戦い、脳にショックを与えられる話

の2編が収録されています。2つのストーリーには直接的なつながりはないのですが、いずれもバーバラの家族関係というものを考えさせるストーリーになっていました。

2011年の大規模設定リセット以降、バーバラの家族設定は子供のころに母が家を出て(息子であるジェームズ・ゴードンJrのサイコパスぶりに恐怖を抱いたため)、ジェームズ・ゴードンJrは連続殺人を犯して収容されているということになっています。
基本的には父でありゴッサム市警の本部長であるジェームズ・ゴードンと二人で生きているバーバラですが、家族のこととなるといろいろと複雑な思いを抱える様子です。

この単行本では、
・弟に対するバーバラの思い
・バーバラがかつて下半身不随になったことに対する父ゴードン本部長の思い
が描かれていて、辛いことがこれまでさんざんあった(今後もきっとある)家族の現在の姿を描いているなと思いました。

その中でキーワードになるのが、

"GORDONS NEVER GIVE UP."

「ゴードン家の人間は諦めない」

という言葉です。バーバラは何度もこの言葉で自分を叱咤して大変なことを乗り越えていきます。それはいいのですが、弟のジェームズ・ゴードンJrも間違いなくゴードン家の一員なので、彼は彼で諦めないのだろうな……という気持ちになりました。彼には適当なところで諦めてほしいものです。