一 はじめに
対立はドラマである。同一の敵と対峙しているヒーロー同士であっても、その考え方の違い、価値観の違いは時に対立を産む。そして彼らの対立は両者のキャラクターをより深く描き出すことにつながる。
ということで本稿では、バットマン(ブルース・ウェイン)とバットウーマン(ケイト・ケイン)の間に見られた意見の対立について考察していきたい。主に参照する作品はRebirth期のDetective Comics Vol. 1-7(ライター:タイノン4世)、Batwoman Vol. 1-3(ライター:マーガレット・ベネット)である。なお、筆者は女性ヒーローが活躍するコミックを中心に読んでいるので参考にするコミックに偏りが見られることは大目に見ていただきたい。