Poison Ivy誌のVol. 1を読みました。植物系ヴィランのPoison Ivy (ポイズン・アイビー、パメラ・アイズリー)を主役にしたシリーズの第一巻です。
ポイズン・アイビーといえば、ハーレイ・クィンやキャットウーマンと並んでゴッサム市を中心に活動する女性ヴィランの代表的存在であり、最近はハーレイとの恋人としても存在感を増しています。
そんな彼女でしたが、
Heroes in Crisis (感想はこちら )で殺害され復活したものの、Harley Quinn & Poison Ivy (感想はこちら)で弱いアイビーと強いアイビーの二人に分裂していることが判明し、強い方はQueen Ivyと名乗ってヴィランとして暗躍する一方、Catwoman (感想はこちら)のもとにアイビーの良心が保護されていて、Batman: Fear State SAGA (感想はこちら)でQueen Ivyとアイビーの良心が合体したのだ――というかなり混乱した状況になっていました。
というわけでこの作品は、再び生まれ変わったポイズン・アイビーのその後を描く作品です。
Writer: G. Willow Wilson
Art by: Marcio Takara
発行年 2023年
公式サイトはこちら。
生まれ変わったアイビーだったが、植物のパワーを司るGreenとの関係が薄くなっていることに気づく。アイビーは本来の力を取り戻すため、普通の人間だったパメラ・アイズリーをポイズン・アイビーへと変貌させたFloronic Man (フロロニックマン、ジェイソン・ウッドルー)のもとへ向かうことにするのだった。地球環境を守るため、アイビーは旅の過程で人間たちを無差別に殺していくのだが――というのがあらすじです。
まず、アイビーの大量殺人について。内臓が飛び散るようなスプラッターな場面はないのですが、キノコを寄生させて殺すやり方なのでそこそこグロいと思います。この手のグロさが苦手な人は気を付けましょう。
お話としては、良質なロードムービーを見ているような作品でした(グロさに目をつぶれば)。最初の頃のアイビーはGreenとのつながりが薄れた喪失感に襲われ、がんがん人を殺しながら進んでいきます。とはいえ、アイビーにとって良い人たちと思える人たちとの出会いもあり植物との触れ合いもあり――という中で徐々に内面に変化が起き、ウッドルーとの対決を経てようやく本来のアイビーが帰ってきたという印象の一冊です。
ウッドルーとの対決の際に、追い詰められたアイビーがハーレイのことを思って反撃という展開があるのも熱いです。何より、Greenがアイビーのことを見捨てていなかったので、救われたという思いになりました。
……大量殺人の被害者はまったく救われていはいないんですけどね。