2020年7月25日土曜日

キャラクター紹介:バナ-マイダルのアルテミス

 アルテミスはアマゾン族の中でも、バナ-マイダル (Bana-Mighdall)と呼ばれる一族の一員です。ワンダーウーマン誌に登場してワンダーウーマンとともに活躍したのち、他のヒーローたちとも共闘するようになっていきました。
 
 DCコミックス社の作品は、2011年と2016年に大規模な設定の更新があったために
 ・New52期以前 (2011年以前)
 ・New52期 (2011-2016年頃)
 ・Rebirth期 (2016年以降)
 に大きく分かれます。New52期以前もいろいろ分類できるようなのですがそれは略。
 
 アルテミスはNew52期以前に登場し、主にワンダーウーマン誌で活躍しました。New52期にはほとんど登場することがありませんでしたが、Rebirth期にはやや設定が変化しゴッサム市で活躍する姿が描かれています。


【本名】

Artemis of Bana-Mighdall (バナ-マイダルのアルテミス)
人間の世界で活動する際にはArtemis Grace(アルテミス・グレース)と名乗っていることもある。

【プロフィール】

アルテミスのプロフィールはBana-Mighdallの一族と強く関連したものになっており、New52期以前とRebirth期で多少設定が変わっています。

・New52期以前

 アマゾン族がすむセミッシラ島を治めていた女王ヒッポリタ(ワンダーウーマン(ダイアナ)の母)の姉妹であるアンティオペが島を離れることを決意した時、彼女について島を出ていった一族がBana-Mighdallと呼ばれる部族になった。しかしセミッシラ島の外に出た彼女たちは困窮を極め、魔女キルケに騙されたこともありセミッシラ島のアマゾン族と戦うことになる。
 キルケの影響を脱したのちにBana-Mighdallの一族はセミッシラ島に住むことを許されたが、彼女たちに与えられた地域の土地は痩せており苦難は続いた。
 アルテミスはBana-Mighdallの一族の中でもっとも強く、ダイアナに匹敵する力を持っておりダイアナとも衝突する。だが様々な事件を経てダイアナと認め合い、彼女の右腕と呼べる存在になっていく。
 

・Rebirth期

 アマゾン族が住むセミッシラ島を離れ、砂漠の中に住むようになった一族がBana-Mighdallと呼ばれる部族になった。彼女たちは古代エジプトの神々を信仰している。現在はQuracと呼ばれる国の中の砂漠に暮らしており、神秘の力で砂煙に守られているため普通の人間には見つかっていない。現在は衰退期といえる状態である。
 アルテミスは幼馴染のAkilaと共に鍛錬を積み、一族の守護者である最高の戦士Shim'Tarになることを目指していた。しかし、先にShim'TarとなったAkilaは神器Bow of Raの影響で気が狂い、アルテミスは駆け付けたワンダーウーマンと共にAkilaを殺す。
 アルテミスは騒ぎの中でBow of Raが人間の手に渡ったことを知り、人間界へと向かった。
 

【スタイル】

 New52期以前は弓や剣を使って戦うことが多かった。Rebirth期は斧を愛用している(下図。クリックで拡大)。この斧も神器であるようだ。長い髪をポニーテールにしていることが多い。

Red Hood and the Outlaws (2016-) #1より、アルテミス (Writer: Scott Lobdell, Artist: Dexter Soy, Cover by: Cam Smith, Giuseppe Camuncoli, DC Comics)


【能力】

アマゾン族の戦士として、格闘、剣術、弓術のいずれにも秀でている。

【性格】

生真面目。思い詰めるところもある。物事の解決の仕方がやや乱暴な面もある。自分より明らかに力の弱い者には優しい面もある。

【友人関係】

Diana of Themyscira: 

ワンダーウーマン。セミッシラ島のアマゾン族のプリンセスである。紆余曲折を経て、アルテミスとは強い信頼関係で結ばれるようになった。

Jason Todd: 

バットマンの相棒Robinの二代目として活躍したのち、様々な経緯を経て現在はRed Hood(レッドフード)として活躍している。Rebirth期にアルテミス、ビザロとともにOutlawsというチームで活動している。

Bizzaro:

スーパーマンのクローン。Rebirth期にアルテミス、ジェイソン・トッドとともにOutlawsというチームで活動している。

Cassie Sandsmark:

ワンダーガールとして活動するヒーローである。New52期以前、ヒーローになりたてのころにアルテミスと共に戦いアルテミスから指導を受けた。New52期以降、2020年まではアルテミスとの関係は特にないようである。

Philippus:

アマゾン族の一人であり、女王ヒッポリタの忠臣。女王が不在だった時期に、アルテミスと共にセミッシラ島を共同統治した。アルテミスが軍事担当、Pillipusは内政担当。New52期以降はアルテミスとの関係は特にないようである。

Akila:

Rebirth期に登場したアルテミスの幼馴染。なおNew52期以前にも同名のキャラクターが登場しており、Bana-MighdallのShim'Tarであった。New52期以前はアルテミスの幼馴染ではなかった。

【主な登場作品】

 アルテミスが登場する作品はたくさんありますが、筆者が読んだ中で主な登場作品を簡単にまとめます。なお、各タイトルからリンクを張っている場合、リンク先はこのブログ内の感想ページです。
 
1994年 Wonder Woman #90で初登場→Wonder Woman by Mike Deodato収録。

1996年 ミニシリーズ "Artemis: Requiem"刊行。

2001年 Wonder Woman誌において、Bana-Mighdallの一族とセミッシラ島のアマゾン族との和解が描かれる→Wonder Woman: Paradise Lost, Wonder Woman: Paradise Found収録。

2003年 Wonder Woman誌において、Philippusとアルテミスがセミッシラ島を共同統治する姿が描かれる→Wonder Woman by Greg Rucka 収録。

2007年 イベント"Amazons Attack!"の結果、アルテミスを含め多くのアマゾン達が行方不明になる。

2009年 Secret Six誌においてアルテミスの居場所が明らかになる。

2009年 Wonder Woman誌において、アルテミスがセミッシラ島に帰還→Wonder Woman: Warkiller収録。

2011年 DC世界の大規模リランチ。以後、New52という世界観で物語が語られるようになる。アルテミスはほぼ登場しなくなる。

2016年 DC世界の大規模リランチ。以後、Rebirthという世界観で物語が語られるようになる。

2016年 "Red Hood and the Outlaws"誌刊行開始。ジェイソン・トッド、ビザロと共に活躍するアルテミスの姿が描かれる。

【何を読めばいいの?】

 "Red Hood and the Outlaws (2016-)" Vol. 1-4
 Rebirth期のアルテミスの活躍が描かれているシリーズです。アルテミスが話の中心になるのはVol. 2ですが、1巻から読むのがおすすめです。4巻でアルテミスは一旦退場しますが、しばらく期間を置いてからまた登場しているようです。
 
 アルテミスの原点です。コンパクトにまとまっていて読みやすいです。
 
 ダイアナとアマゾン族の激動の物語が描かれています。アルテミスもかなり活躍します。
 
 アルテミスの出番はわずかですが、アマゾン族の中ですっかり信頼を得ている姿を楽しめるシリーズです。
  
 この記事からリンクを張っている記事以外にも、アルテミスの登場作品の感想を書いています。Artemisのラベルがついている作品をご覧ください。