【基本情報】
Writers: Ben Sokolowski, Andrew Kreisberg, Benjamin Percy
Artists: Jonathan Glapion, Daniel Sampere, Fabrizio Fiorentino, Szymon Kudranski, Patrick Zircher, Various
Cover by: Patrick Zircher, Szymon Kudranski
発行年 2015-2016年
公式サイトはこちら。
この記事はVol. 7-9ということでひとまとめにしてしまっていますが、Vol. 7のライターはBen Sokolowski, Andrew Kreisberg氏、Vol. 8, 9のメインライターはBenjamin Parcy氏ということでVol.7とVol.8, 9は密接につながっているわけではありません。
Emiko Queenは前巻まで(感想はこちら)の展開で異母兄であるOliver Queenと出会い、彼と共に暮らすようになりました。というわけでこのVol. 7-9にも登場してくるのですが、登場頻度がかなり違います。
Vol. 7ではわずか、Vol. 8で出番が増えVol. 9では重要な活躍をする――という感じです。また、Vol. 8とVol. 9はストーリーがつながっていますので、彼女の活躍を中心に読むならまずVol. 8を読んでみるというのもいいかもしれません。
さて。
Oliver Queenとともに暮らすようになり、学校に通うようになったEmikoですが、学校には馴染めていない様子。それでもオリバーはEmikoに普通の子供としての生活を送ってほしいらしく、二人は学校に行くか行かないかをめぐってしばしば対立します。
保護者としてのオリバーの気持ちは分かりますし常識的なものだと思いますが、Vol. 9でちらっと描かれるEmikoの学校の環境もいまいちなのでEmikoの気持ちも分かる――という感想を持ちました。アメリカの学校でもいじめはあるんですね。そりゃあるか……という気持ちになったところで、Emikoが学校のロッカーにロックバンドBlack Canaryのポスターを貼っていることに気づいて、おお、となりました。
Black Canary(ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)はNew52期以前ではオリバーと恋人だったり夫婦だったりしたものの、New52期には二人の絡みはほぼないと思います。それでも、New 52期Green Arrow誌 #43のヴァリアントカバー(通常版とは異なるカバー)にBlack Canaryが登場していたり(こちらをご覧ください)、こうしてBlack Canaryのポスターが劇中に登場したりとオリバー/ダイナのカップルが好きな人への目配せのようなものは感じますね。
お話としては、前巻までの戦いで自分の過去や父親と一定の決着をつけたGreen Arrowがシアトルの町の平和を守る戦いになります。特にVol. 8-9では、オカルトテイストが強いです。シアトルの町の貧困層に焦点を当てていたり、感染性の病気になった人たちへの憎しみ (ヘイト)に焦点を当てていたりと、現代のアメリカの社会で問題になっていそうなことをかなりダイレクトに取り上げている印象でした。