2019年11月18日月曜日

Batman: Huntress/Spoiler - Blunt Trauma 感想

 Huntress(ハントレス、Helena Bertinelli)とSpoiler(スポイラー、Stephanie Brown)がチームを組むBatman: Huntress/Spoilerを読みました。ハントレスと、この頃まだヒーローになりたてのスポイラーがコンビを組む一話完結のお話です。

【基本情報】
Writer: Chuck Dixon
Penciller: Eduardo Barreto
Inker: Bill Sienkiewicz
Colorist: Jason Wright
Cover by: Eduardo Barreto
発行年 1998年

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ある日ゴッサム市に地震が起きる。ステファニーはスポイラーのコスチュームを身にまとい、被害に遭った人々を助ける中でハントレスに出会う。地震直後のゴッサムではすでに犯罪を犯す人々がいたので、二人は犯罪行為を止めるために活動する。犯罪者の中には刑務所から脱獄したばかりのステファニーの父、Cluemasterもいたのだった――というのがあらすじです。

この二人、結構いいコンビになれそうという感想を持ちました。発行されたのが1998年ということでまだバットファミリーから「やり方に問題がある」と警戒されているハントレスですが、スポイラーから見ると一日の長があるのは確かです。

実際にこの本の中でのハントレスの犯罪者の止め方は相当乱暴で、"Cruel"(残酷)ですらある、というのがスポイラーの評価です。一方、スポイラーにはハントレスにはない甘さ(優しさとも言えます)があり――しばらく二人で活動していたら、ゴッサム市を守るヒーローコンビとしていいバランスになったのではないかと思います。この一冊で終わったのが惜しいです。

物語はステファニーが書いた日記という形式をとっていますので、ステファニーの気持ちは描かれますがハントレスの気持ちは描かれません。そんな中、ステファニーとのある会話のやり取りで見せたハントレスの哀しそうな眼が印象的でした。